Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
オルガネラの分裂機構をポストゲノム解析するシゾンの特性を再検討した。(1)総遺伝子数は4個増えて4775個となったが、ほとんど大腸菌と同じ遺伝子数であり、真核生物として最少であること、また遺伝子にパラログやイントロンがほとんどないこと、(2)真核生物として基本的な複膜系(ミトコンドリアなど)及び単膜系オルガネラ(マイクロボディなど)を全て含み、最少数であること、更にこれら複膜系と単膜系オルガネラの分裂を光の明暗でほぼ100%同調化できること、更に各オルガネラの単離が可能であること、そして(3)シゾンが42-45℃と高温に棲息する真核生物であり、タンパク質の結晶化が容易である可能性が高いこと、これらの特性の他に、シゾンのミトコンドリアの分裂装置の全長が1μm、色素体の分裂装置が3μmであり、他の真核生物の10倍は長いことが分かったことなどである。そこで色素体の分裂装置の単離から開始した。先ず5リットルの同調培養系の分裂期細胞から分裂中色素体の単離を行った。次に様々な界面活性剤処理や遠心など諸条件を検討し、分裂中色素体から分裂装置(PDリング、Dynaminリング、FtsZリングを主に含むことから、PDFマシーンと命名)の単離に成功した。この高純度の単離の検定には従来の形態学的な確認やマーカー抗体を用いたイムノブロット解析だけでは困難で、新たにゲノム情報とMALDITOF-MS解析が必須だったので、この単離法をオルガネラMALDITOF-MS分画法と呼んだ。この方法で純化したPDFマシーンの構造と機能を解明した。画期的な成果としてPDFマシーンが20余りのタンパク質からなり複雑な装置であること、ダイナミン顆粒が細胞質からPDFマシーンへ移行、融合後、ダイナミンがPDFマシーンの滑り込みと分裂面膜の分断に重要な役割を担っていることがあきらかとなったこと(Yoshida et al.,Science,2006)、更にこの過程でミトコンドリアの分裂装置(MDFマシーン)の単離も可能となったことである。
All 2006 2005
All Journal Article (10 results) Book (1 results)
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