集光性超分子フィコビリソームの生きた状態における構造形成の仕組み
Project/Area Number |
17053003
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
仲本 準 埼玉大学, 理学部, 助教授 (30192678)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 康子 埼玉大学, 理学部, 助教授 (30194921)
|
Project Period (FY) |
2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
|
Keywords | 生体超分子 / フィコビリソーム / シアノバクテリア / 分子シャペロン / Hsp90 / ヒルベルト微分コントラスト電子顕微鏡 |
Research Abstract |
フィコビリソームは、フィコビリタンパク質とリンカーポリペプチド(以下、リンカーと略す)などが数百分子集合して秩序正しく構築された巨大な複合体で、光エネルギーを吸収するアンテナの働きをする。本研究では、細胞におけるフィコビリソーム超分子の構築過程の解明を目的とした。実験材料には、シアノバクテリアSynechococcus PCC7942株を用い、フィコビリソーム構造の骨組みをなすと考えられているが、その不安定性ゆえに研究の進展がないリンカーに焦点をあてて、以下のような結果を得た。 1.フィコビリソーム構築における分子シャペロンの役割 フィコビリソームを解離させると3種類のリンカーが(高温では著しく)凝集したが、HtpG(Hsp90)は30kDaリンカーの凝集を効果的に阻止した。ゲルろ過カラムクロマトグラフィーで、HtpGと変性したフィコビリソームの可溶性複合体を単離した。30kDaリンカーを大腸菌で発現させ、不溶性のリンカーを尿素で可溶化し精製した。尿素を希釈し高温にするとリンカーは変性したが、リンカーと等モルのHtpGの添加によって凝集体形成が抑制された。HtpGと30kDaリンカーの複合体の結晶化条件を検討した。 2.細胞内におけるフィコビリソーム構築過程の電子顕微鏡による解析 永山國昭教授らが最近開発したヒルベルト微分コントラスト(HDC)電子顕微鏡により、急速凍結しただけの無固定無染色細胞におけるRuBisCO酵素分子が、従来の透過電子顕微鏡に比較してはるかに高コントラストで観察されることをまず明らかにした。これは、この顕微鏡で細胞内タンパク質分子が観察可能であることを示すものであるが、さらにフィコビリソーム・ロッド構造や、ロッド内のリンカーと考えられる構造物を検出した。電子顕微鏡による構造変化観察のために、フィコビリソームの分解・再構築が生じる培養条件を検討した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)