巨大モーター蛋白質ダイニンのX線結晶構造に基づいた機能解析
Project/Area Number |
17053006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗栖 源嗣 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (90294131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 和夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20111453)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Keywords | X線結晶解析 / モータータンパク質 / 微小管 / ダイニン / 巨大蛋白質 |
Research Abstract |
ダイニンはATP依存的に微小管上を滑り運動するモーター蛋白質で、重鎖・中間鎖・軽鎖から構成される1000kDaを超える生体超分子複合体である。鞭毛運動や繊毛運動、さらに蛋白質輸送や染色体分離運動を担うモーター蛋白質であり、その生物学的重要性は極めて高い。 我々は、モーター活性を保持し構造解析用に精製可能な組換え体タンパク質、細胞質ダイニンモータードメイン(DynMD:3343残基)を用いてX線による構造-機能相関の研究をスタートさせた。動的光散乱法(DLS)でDynMDの分子サイズ均一性を確認し、併せて安定に存在する溶液状態の検索を行った。DLS解析により、均一な分子サイズをもち、かつ安定に存在する溶液条件を見つけることができた。この基本溶液条件をベースにタグ付き、タグ無しの二種類のDynMDを用いて、Native状態、ADP+Vi状態、ADP結合状態と網羅的に結晶化条件の検索を行っているが、現在までのところ単結晶は得られていない。引き続き、AMPPNPやAMPPCPなどのATPアナログ結合状態での結晶化にもトライする予定である。 細胞質ダイニンの微小管と結合する領域は、長いcoiled-coil領域によってATPの加水分解を行う球状ドメインと繋がれている。この微小管と結合するドメインはストークドメインと呼ばれている。東京大学大学院総合文化研究科・豊島陽子助教授と共同で細胞質ダイニンストークドメインの組換え体結晶構造解析を並行してスタートさせた。PEG3350を沈殿剤とした時に再現性良く棒状の結晶を得ることに成功している。KEK-PFのAR-NW12ビームラインにおいて、Se置換体結晶を使った3.1〜3.25Å分解能のSe-MAD測定を行った。結晶が非常に柔らく不安定で、回折強度が非常に弱いという特徴をもつが、構造解析向けて鋭意解析計算を行っている最中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)