Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Research Abstract |
(1)セリン受容体Tsrとアスパラギン酸受容体Tarのリガンド結合残基はほぼ共通で,異なる残基を入れ替えてもリガンド特異性は変わらない.変異受容体やキメラ受容体を作製・解析し,共通なリガンド結合残基の三次元的配置の違いがリガンド特異性を決定するという仮説を立てている.Tsrリガンド結合ドメインの構造解析を行い,仮説を支持する結果を得た. (2)走化性受容体は細胞極でクラスターを形成し,これがシグナル増幅や適応に重要とされている.そこで,Tar-GFP融合蛋白質を用いて,適応に伴う受容体メチル化(アミド化)の影響について調べたところ,極局在をわずかながら有意に促進した.さらに,修飾されていないTar-GFPの極局在は,アミド化されたTsrを共発現することにより促進された.以上のような受容体修飾の効果は,適応に関与するにしては小さすぎるが,受容体クラスターの安定化に貢献していると推定された. また,Tar-GFPの局在過程を観察した.発現誘導後,まず菌体側面で蛍光ドットが見られ,やがて極の蛍光が強くなった.驚くべきことに,Tar-GFPは菌体側面でらせん状に配置した.さら詳しい解析から,蛋白質膜挿入装置Sec複合体自体がらせん状に配置することがわかった.この発見は,膜蛋白質の局在機構に新たな光を当てるものである. (3)コレラ菌は3組の走化性(Che)蛋白質群をもち,病原性にも関与する.全てのcheY遺伝子を欠失したところ,cheY3(cheクラスターII)欠失のみ走化性を失った.他の細菌では,べん毛回転を直接制御するCheYを過剰発現すると,菌は極端にバイアスのかかった泳ぎを示す.そこで,コレラ菌CheYを過剰発現したところ,CheY3以外のCheYホモログは遊泳に影響しなかった.したがって,cheクラスターIおよびIIIは,主として走化性以外の機能を制御すると推測された.
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