Project/Area Number |
17053025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
島田 秀夫 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80095611)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | チトクロム酸化酵素 / プロトンポンプ / 部位特異的アミノ酸置換 / Paracoccus denitrificans / 膜蛋白質 / エネルギー変換 |
Research Abstract |
チトクロム酸化酵素は分子状酸素を水に還元する反応に共役してプロトン(H^+)を膜内側から外側にポンプする膜蛋白質複合体である。水生成反応とH^+ポンプとによって生じる膜内外のH^+濃度勾配と内側が負の膜電位とによってATP合成が駆動される。 ウシ酵素のX線構造解析と変異体解析に基づいて、我々はH pathwayと呼ばれるH^+ポンプ経路を提唱している(Tsukihara, T., et al.,PNAS 2003)。細菌(Paracoccus denitrificanとRhodobacter spheroids)酵素のX線構造に、ウシ酵素のH pathwayと相同な構造が認められる。H pathwayの膜外側末端には、ウシ酵素の場合、酸性アミノ酸のアスパラギン酸(D51)が配置されH^+ポンプ部位として機能するが、細菌酵素の場合、グリシンと水分子とが配置されている。本年、細菌(Paracoccus denitrificans)酵素のH pathwayの機能を、アミノ酸置換を利用して検討した。 H pathway膜外側末端の水分子がH^+ポンプ経路の一部であるのか否かを検討するため、周辺アミノ酸残基を嵩高いアミノ酸に置換し水分子を排除することを計画した。グリシン残基(G84)を疎水性のロイシン、あるいは親水性のグルタミン(Q)やアスパラギン酸に置換すると、またイソロイシン残基(I476)を疎水性のフェニルアラニン(F)に置換すると水分子が排除されることが予測された。なおアスパラギン酸は、ウシ酵素のH pathwayと比較するために導入した。細菌酵素のサブユニットI遺伝子(ctaDII)と、その偽遺伝子(ctaDI)の両者を破壊した菌株を用いて、野生型と変異体遺伝子を発現させ、それぞれ高純度の精製標品を得た。変異体には最小の構造変化しか起こっていないことがUV/Vis吸収スペクトルから強く示唆された。G84D、G84Q、とI476F変異体は野生型の50〜60%、そしてG84L変異体は約120%のチトクロムc酸化活性を示した。精製酵素標品を人工膜に再構成しH^+ポンプ活性を測定した。ポンプされたH^+と消費された還元当量比で表現されるH^+ポンプ効率(H^+/e-)には、野生型と変異体の間に顕著な差は認められなかった。以上の結果は、水分子がH^+ポンプ経路の一部であるのことを支持しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)