Project/Area Number |
17053029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
石田 恒 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門・中性子生命科学ユニット, 研究職 (60360418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 淳 独立行政法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究職 (10399420)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | リボソーム / 立体構造 / 基準振動解析 / 分子動力学法 / X線結晶解析 / 電子顕微鏡像 |
Research Abstract |
本研究では、遺伝子情報翻訳装置であるリボソームの原子分解能の立体構造を、電子顕微鏡像とX線結晶解析のデータ及びバイオインフォマティクスと分子動力学シミュレーションの手法を用いて構築し、リボソームの機能を原子レベルで理解することを目的とする。 まずリボゾームの初期構造を作成するために、リボソームのX線結晶解析による立体構造(PDB:1YL3と1YL4、解像度5.5Å、遺伝子情報翻訳進行状態)を用いた。ただし一部、原子座標の特定されていない欠落部位が存在していたため、ホモロジーモデリングをすることで、全原子の立体構造を作成した。更に、我々は分子の柔らかさも考慮しながら立体構造を電子顕微鏡像にあてはめられるように、Gaussian Networkモデルによる基準振動解析および分子動力学シミュレーションを実行するプログラムを開発し、より現実的なリボソーム立体構造の精密化を可能とした。あてはめにはEMBL-EBIに登録されている遺伝子情報翻訳休止状態のもとに得られた電子顕微鏡像、1068(解像度13.4Å)を用いた。 結果、電子顕微鏡像と約80%程度に一致するリボソーム立体構造を原子レベルで作成することができた。なお、これ以上に立体構造を電子顕微鏡像に当てはめると、立体構造が不自然な形になってしまうことがわかった。作成された立体構造と初期構造において、リボソームを構成するタンパク質の立体構造の違いを比較したところ、重心間移動距離について平均約2Å、配向について平均5度の違いが見られた(リボソーム全体構造について約6Åの違い)。以上、電子顕微鏡像にあう精密な立体構造を構築することができた。また構造変化は、リボソームの遺伝子情報翻訳の進行状態と休止状態における立体構造の違いを反映していることがわかった。
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