Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Research Abstract |
本研究の目的はダイオキシン類等のリガンドによって活性化される受容体型転写因子であるAhRとその抑制因子であるAhRRを介した転写調節における機能相関を明らかにすることである. 最初に培養細胞を用いた一過性発現系において確認されたAhRRによるAhRの活性抑制が実際の細胞において見られるかどうか検討を行った.以前作成したAhRあるいはAhRR欠損マウスから得られた初代培養細胞を用いてAhRの活性について検討を行った.その結果,1,胎児性線維芽細胞,腹腔内マクロファージにおいてAhR,AhRRが恒常的に発現していること.2,AhRRの欠損によりAhRシグナル伝達系の抑制が解除され,その結果AhRリガンド依存的な標的遺伝子(Cyplal等)の過剰な誘導が見られること.3,AhRRの発現はAhR欠損細胞では見られず,リガンドの有無にかかわらずAhRにより制御されていることが判明した。このことは実際の生体内のAhRシグナル伝達系においてAhRRが実際にネガティブフィードバック制御に関わっているという最初の知見となった. 次にHepa-1細胞を用いた一過性発現あるいは安定発現株を用いたAhRRの機能解析も行った.その結果,1,AhRRがその転写抑制ドメインであるC末端側の3つのリジン残基においてSUMO1による修飾を受けること.2,一過性発現系ではAhRRのSUMO化はAhRRの転写抑制能に大きな影響を与えないこと.3,AhRRタンパク質の安定性は極めて低く,ユビキチン-プロテアソーム系によって速やかに分解され,そのユビキチン化部位はSUMO化される3つのリジン残基と一緒であることがわかった.これらのことからAhRRが単純に発現しただけでAhRの機能を抑制するのではなく,その機能が分子の修飾によって制御されていることを示唆された.
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