Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
出芽酵母において転写調節因子Aft1は細胞内鉄代謝恒常性維持の中心的な役割を担うが、このAft1の転写活性は細胞内鉄濃度により制御されている。本研究では、Aft1の鉄による転写活性化能の制御機構を分子レベルで明らかにすることを目的として研究を遂行し、以下の結果を得た。Aft1の活性制御において核外輸送が鉄によって促進されることが重要である。Aft1の核外輸送担体はMsn5であることが明らかとなっているが、このMsn5とAft1が鉄存在下で相互作用し、鉄欠乏下では相互作用が弱まることをyeast two hybrid assayにより明らかにした。また、このMsn5との結合に必要とされるAft1内の2カ所の領域を同定した。その一方にはリン酸化に関与するセリン残基が複数存在する。これらセリン残基への変異導入によりAft1とMsn5との結合が阻害されたことより、結合にはセリン残基のリン酸化が重要である可能性が示唆された。また、このセリン残基をアラニンに置換したAft1は核への局在を示した。さらに、もう一方の領域内に存在する複数のスレオニン残基への変異導入もAft1の恒常的な核への局在を示し、これらセリン残基、スレオニン残基が核外移行に重要な役割を持つことが明らかになった。さらに、スレオニン残基を含む領域が鉄濃度依存的にAft1のN末側と相互作用することを示唆する結果が得られた。したがって、鉄濃度に応答したスレオニン残基を介したAft1分子内相互作用により2領域が特定の配置を取ることが核外移行を促進する可能性が示唆された。
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