転写活性化のポテンシャルを与える転写抑制因子p170の作用機構の解析
Project/Area Number |
17054027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
上田 均 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (60201349)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | 転写制御 / ショウジョウバエ / トラキア / エクダイソン / 転写抑制因子 / Blimp-1 |
Research Abstract |
ショウジョウバエのBlimp-1/p170の生体での機能を調べるために、まず、胚期での発現パターンをin situ hybridization法で調べたところ、胞胚期には、4本のストライプ状に発現し、胞胚期を過ぎると一旦発現が消失し、その後頭部や形成過程のトラキアなどで部位特異的な発現が観察された。胚期でエクダソン濃度が上昇する時期になると、少なくとも表皮全体での発現が観察された。次にBlimp-1のショウジョウバエ変異株を取得して解析を行ったところ、劣性胚性致死で、気管は形成されているものの気管への空気の流入異常が観察された。したがって、Blimp-1変異株では少なくとも気管形成過程でそのmaturationに異常が生じていると考えられ、Blimp-1がトラキアのmaturationに必要な因子であることが示された。また、この明確な形質は、今後この因子の生体機能を評価するうえで利用できると考えられた。 ショウジョウバエBlimp-1がFTZ-F1遺伝子の発現に及ぼす影響を調べるため、熱ショックプロモーターにcDNAを融合した遺伝子を持つトランスジェニックフライ系統を作成し、熱ショックを与えて強制発現させた。その結果、強制発現によってFTZ-F1の発現時期が遅延し、Blimp-1が転写抑制因子として少なくとも作用することが示された。次に様々なドメインを欠くBlimp-1を強制発現させたところプロリンに富む領域を欠いたBlimp-1は、転写抑制能を欠くことから、この領域が転写抑制に必要であると考えられた。一方で種間で保存された領域であるSETドメインを欠いても影響はみられず、この領域に転写抑制以外の他の機能があることが予想された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)