レンズと鼻腔の形成から迫る熱ショック転写因子群を介する情報発現機構
Project/Area Number |
17054030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中井 彰 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60252516)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Keywords | 熱ショック / 転写因子 / 発生 / レンズ / 嗅上皮 |
Research Abstract |
哺乳類には3種類の熱ショック転写因子(HSF)が存在し、標的遺伝子のプロモーター領域にあるHeat shock element (HSE)に結合し転写調節を行っている。これまでに、HSF1とHSF2は卵成熟や精子形成のような発生過程において必要であることがわかっており、HSF1とHSF4はFGFの転写調節などを介してレンズの発生に関与している。今回、HSF1とHSF4の欠損マウスの外胚葉由来の感覚器について解析を行ったところ、HSF1欠損マウスでは鼻において、嗅神経上皮の萎縮と鼻汁の貯留が認められた。嗅神経上皮の解析を行ったところ、生後4週以降に嗅神経細胞のネクローシスとアポトーシスの混在した細胞死を認めた。また、嗅上皮と接する骨の萎縮も認めた。その他の骨の異常はないので、嗅上皮の異常に由来する骨の萎縮と考えられた。さらに、酢酸をしみ込ませた綿球に対して忌避行動をとらないことから嗅覚異常があることが示唆された。その分子機構を明らかにするために、熱ショック蛋白質と嗅上皮の形成に係るサイトカイン遺伝子の発現を調べた。その結果、生後4週以降に熱ショック遺伝子群の誘導とLIFの発現低下を認めた。前者から予想されるように、HSF1の活性化を生後4週以降の嗅上皮で認めた。驚いたことに、マウスのLIF遺伝子のプロモーター領域には多数のHSE配列が存在しており、この領域にHSF1が結合していることがChIP解析により示された。さらに、LIFの発現が、FGFと同様にHSF1とHSF4により拮抗的に転写調節されていることがわかった。レンズと嗅上皮はともにPax6に依存した外胚葉由来のプラコードに由来し、たえず、外界からのストレスを受けている。これらの感覚器の発生過程にストレスが密接に関わることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)