SUMO化によるクロマチン構造変換を介した転写制御機構
Project/Area Number |
17054044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
小川 英知 基礎生物学研究所, 性差生物学研究部門, 助手 (20370132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 惠 基礎生物学研究所, 性差生物学研究部門, 特別協力研究員 (00390691)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
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Keywords | 転写因子 / 核内レセプター / クロマチン構造 / SUMO化修飾 / 転写制御 / ATPase / 核内構造 |
Research Abstract |
我々は生殖腺の分化に不可欠な転写因子Ad4BPがSUMO化修飾を受け、因子間の相乗的転写活性が調節されることを明らかにした。さらにSUMO化修飾特異的に相互作用する因子として、クロマチンリモデリング活性を有すると推測される因子SCFの単離に成功した。本研究ではクロマチンリモデリングや核内構造のダイナミックな変換反応との関連において、転写因子のSUMO化修飾の機能を明らかにすることを目的とした。はじめにSCFとAd4BPの結合様式を明らかにする為にin vitroによる結合実験をおこなった。その結果SCFはSUMOタンパク質自身を弱く認識するが、それのみならずSUMO化修飾されたAd4BP自身を認識することで特異的に且つ安定に結合することが明らかとなった。この結果はSCFが従来知られていた核内レセプターとその介在因子との結合様式とは全くことなった、翻訳後修飾特異的に結合する新規介在因子であることを意味している。またSCFの細胞内局在を免疫染色で調べたところ、SCFは核内で細かい顆粒状の構造体に集積していることが判明した。この顆粒状構造体には部分的に核内レセプターの介在因子であるTIF2やSUMO化修飾酵素やSUMO化タンパク質が多く集積する核内ドメイン構成因子であるPMLの局在がみられた。この結果からSCFがSUMO化関連因子とともに核内で複合体を形成し機能していることが予想されたので、核内におけるSCFの分子機構を明らかにする目的で、SCF複合体の精製を試みた。質量分析の結果いくつかのSCF結合因子の同定に成功した。これらの因子の中にはSCFのATPase活性を促進する因子があり、これらSCF結合因子が核内で複合体としてSCFの機能を補助、促進することに関与していることが示唆された。以上の結果は未だ不明である転写機構を解明する上で重要な知見となる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)