Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 素直 長崎大学, 環境科学部, 教授 (00011982)
蔵田 憲次 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90161736)
大下 誠一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00115693)
北野 雅治 高知大学, 農学部, 教授 (30153109)
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Budget Amount *help |
¥15,600,000 (Direct Cost: ¥15,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥14,700,000 (Direct Cost: ¥14,700,000)
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Research Abstract |
これまでの研究で,測定可能最大周波数が3GHzのマイクロウェーブ域ではあるが,ネットワークアナライザとOpen-Ended Coaxial Probeを使用することにより,トマトの水ストレスや塩ストレスに対する適応応答を非破壊的に検出できることを示すことができた。 今回交付された科学研究費によって最大50GHzのミリ波領域まで測定可能な測定システムは平成17年11月にようやく導入されたばかりであり,本システムを利用した研究成果発表はまだ行っていないが以下のような成果が得られつつある。 1.耐塩性の異なる様々な野菜類を塩ストレス状態とし,誘電緩和スペクトルの変化として捉える測定実験を行った結果,植物葉部の誘電緩和スペクトルが,その植物がどのくらいの強度の塩環境で生息しているのかを示す指標となりえることを示唆する測定結果が得られた。 2.長崎県総合農林試験場との共同研究でバラやキキョウなどの切り花の段ボール輸送やバケット輸送など輸送方法によって受けるストレス強度の違いを誘電緩和スペクトルの変化の面から評価する方法を実験的に検証した結果,切り花の輸送中のストレス履歴を切り花葉部の誘電緩和スペクトルを測定することによって検出できることが解ってきた。 3.植物体の誘電緩和スペクトルは水分含有量のほかに,植物の環境ストレスに対する適応応答として誘導・合成される強電解質イオンやアミノ酸,タンパク質,糖類などの物質が増減することにより変化すると考えられる。植物の誘電緩和スペクトルの物理化学モデルをそれらの物質によって精度良く構築することができることが解った。さらにこれらの物質の水溶液とパルプを用いた物理化学モデルによって植物の環境ストレス適応応答が誘電緩和スペクトルに与える影響を,シミュレーションしている。水溶液と植物の物理化学モデルでは誘電緩和スペクトルの変化が異なる物質があることが解った。 4.1〜3で得られた知見を利用し,現在,植物の簡易適応応答検出装置の開発を行っている。
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