環境にやさしい'重ね媒染'―正倉院の緋色の再現から綿の消臭機能化まで
Project/Area Number |
17500516
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
General human life sciences
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
小見山 二郎 実践女大, 生活科学部, 教授 (60016574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲西 正 お茶ノ水女子大学, 生活科学部, 助教授 (90198143)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 天然染料 / 媒染 / 消臭 / 綿 / 染色 / 染色史 / 絹 / 測色 |
Research Abstract |
本研究は、1.現代における衣服の天然染料による染色の可能性を明らかにし、新しい機能を発現することを目的とする。本年度は、(1)天然染料の媒染により、綿の濃色、鮮明、堅牢な染色ができることを明らかにする、(2)綿のインジゴ染めにおいて、銅で媒染することにより、早い消臭性を付与する、(3)天然染料による染色物と、合成染料によるそれの測色上の違いを明らかにする、(4)ジーンズのボロ化を社会心理学的に考察する、の4つの研究を行った。(1)については、ウコン、緑葉他8種の天然染料について、媒染剤の種類、助剤の選択、染色時のpHの制御、重ね媒染、超音波の利用により、6種の染料について、日光堅牢度3級以上の濃色の染色法を見出した。とくに茜、緑葉では、これまでにない濃色を得た。(2)では、綿中で、第二銅イオンとインジゴの錯体形成を初めて明らかにし、アンモニア他の消臭が速く、実用性があることを明らかにし、この結果を、保土ヶ谷化学工業(株)と共同で、05年4月に特許出願した。(3)は、これまでの‘色目が違う'という程度の認識に対し、スキャナーによる0.1mm間隔の測色により、前者では2〜5%、の色の濃淡、後者では、1%以下の濃淡の違いで識別できることを、綿、絹のサンプルについて明らかにした。(4)では、ジーンズのすだれ状の破れ、脱色、つぎはぎなどの加工を、ボロ化という語でまとめて、この傾向が、社会が環境時代を迎えて、自然に還る流れの中での個人化により生じていることを論じた。以上の研究は、(1)と(3)、が天然染料による綿布の濃色で竪牢な染色、(4)が、ブルー・ジーンズのボロ化の社会心理、という題で、実践女子大学生活科学部紀要第43号(06、4、1発行)に掲載される予定である。また(1)、(2)、(3)について、Mordanting of Natural Dyes - historically hidden but toward revival?と題して、3月24日に米国、メトロポリタン美術館科学部で講演する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)