Budget Amount *help |
¥4,190,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2008: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
仮に国境の存在を忘れて世界をあたかもひとつの大きな社会のようにみてみよう。このとき世界全体としてどの程度大きな所得格差が存在するかを推計するのは重要な課題である。本研究では,現時点で入手可能な最新のデータを用いて,1960年から2007年に至る世界的規模で見た所得分布とその推移を推計した。計測においては,世界各国の所得分布は対数正規分布に従うとする仮定のもとで推定し,人口の相違を考慮に入れた上で,これらをすべて集計する形で可能な限り詳細な世界的所得分布を導いている。推計の結果,1960年から1980年に至るまでは,世界的所得分布の不平等度は上昇傾向を見せていたものの,1980年代以降は反転して下降傾向にあることが示された。1980年には0.696であったジニ係数値は2005年には0.637,2007年には0.626にまで下落した。しかしながら,世界的所得分配の不平等が極度に大きいという現実には何の変わりもない。2005年における世界最上位1割の人達の世界総所得に占める所得シェアは49%であるのに対し,世界の下位1割の人達が得ている所得をすべて併せても0.5%にしかならないのである。本研究では,上記のような実証分析を行うとともに,これと並行して,不平等計測の基礎理論の研究を継続して行い,中間的不平等概念に関する新しい知見を得た。
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