新しい超分子化学的手法に基づく不斉認識ホストの開発
Project/Area Number |
17550042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
桑谷 善之 首都大学東京, 大学院理工学研究科, 准教授B (00234625)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 分子認識 / 超分子化学 / 合成化学 / 分子ピンセット / コンフォメーション / 不斉誘導 |
Research Abstract |
本研究ではジベンゾシクロオクタテトラエン(DBCOT)の桶型の構造と室温溶液中で容易に環反転する性質に注目して、分子内にDBCOT二分子を縮環した化合物を合成した。この化合物はantiが体とsyn体の二つの配座異性体が室温溶液中で異性化し、このうちsyn体がその空孔内にゲスト分子を選択的に包接するピンセット型のホスト分子としての機能を有することを明らかにした。そしてその分子包接挙動において、分子認識部位にあたるベンゼン環に電子供与性置換基であるアルコキシル基を導入したことでDDQなどの電子欠乏性の分子を包接する機能を有することを明らかにし、ゲスト分子包接の際、アルコキシル基の寄与が大きいことを示唆する結果を与えた。また、そのアルコキシル基においてもメトキシ基からエトキシ基へとそのアルキル鎖を一つ伸長させただけで包接能の向上が見られることを確認しており、ホスト分子のアルキル鎖がゲスト分子の包接に有利に働くというホストゲスト化学の観点から非常に興味深い性質を持つホスト分子であることを見出した。さらに、分子認識には直接関係しないシクロオクタテトラエン上の置換基をニトリル基からホルミル基に変えるだけで、電子吸引性の違いによる効果から包接能の向上も見出しており、今回合成したピンセット型化合物の分子認識挙動の詳細を幅広く明らかにしている。今後の課題としてはより多くのゲスト分子を包接できるよう、その分子認識部位にあたるπ平面の拡張が望まれる。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Giant Macrocycles Composed of Thiophene, Acetylene, and Ethylene Building Blocks2006
Author(s)
Nakao, K., Nishimura, M., Tamachi, T., Kuwatani, Y., Miyasaka, H., Nishinaga, T., Iyoda, M.
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Journal Title
Journal of the American Chemical Society 128(51)
Pages: 16740-16747
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