中国近世白話文学の電子化の現況及び学術利用に有効なコーパスの設計に関する調査
Project/Area Number |
17630004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 企画調査 |
Research Field |
情報図書館学・人文社会情報学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
笠井 直美 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 助教授 (90251389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 玲子 専修大学, 文学部, 教授 (90238410)
上田 望 金沢大学, 文学部, 助教授 (90293331)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 白話小説 / 戯曲 / 電子化 |
Research Abstract |
1.各国の中国近世白話文学の電子化状況の調査 ネットを通じた調査を主とし、北京・台北での実地調査を併せて行った。この分野の主要な資料は、底本や校訂を問わなければおおむね電子化されている(調査した中で電子化がやや遅れているジャンルとしては、明以降の雜劇・傳奇が挙げられる)が、(1)Web上やCD-ROMの形で無料又は安価で供給されている電子テキストは、知的財産権に関する配慮のないものも多いと思われ、また、学術的な使用に耐えうる水準でないものが多い。(2)文学史的・思想史的に、近年重視されている批評や、各種版本の忠実な電子化などはまだまだこれからである。(3)専門家の関与した、学術的使用に耐えうる水準の電子テキストの多くは、恐らく盗用や海賊版への警戒のため、可塑性のあるテキストファイルの形ではなく、高度な操作が施せない形態で供給されている、といった問題点がある。 2.学術利用に供するために適切な電子コーパスの設計・形式に関する調査 英語学や日本語学においては、有効な標識付けを行って初めて電子コーパスと言えるという段階に入っているが、中国古典文学の場合、そうした段階はまだ先のように思われる。 Helsinki Corpusのヘッダ情報の形式などは、中国古典文献コーパスの構築にも参考になろう。しかし、BNCのような形態素のタグを付与したコーパスを整備する環境は、良質で安価な形態素解析プログラムがないこと(特に古文の解析は精度が低い)、基盤となる良質のプレインテキストが十分でないことから、まだ整っていないと言える。まずは学術的な使用に耐えうるプレインテキストを、ある程度の量、研究者が共有できるシステムを整備することが必要と考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)