チロシン燐酸化修飾を介したL型Caチャネル第二の開口状態調節と機能分化
Project/Area Number |
17650113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurophysiology and muscle physiology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中山 晋介 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (30192230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳納 博幸 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助手 (60155520)
村上 学 秋田大学, 医学部, 講師 (80302090)
伊藤 康 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (80303650)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 生理学 / 生体分子 / シグナル伝達 / カルシウム チャネル / チロシンキナーゼ / 平滑筋 / 心筋 / β-アドレナリン受容体 / 不活性化 / 臓器特異性 |
Research Abstract |
交感神経刺激時に心筋L型Caチャネル(Ca_v1.2a)は大きく電流量が増して、心筋収縮を増強することはよく知られている。この作用は、β-アドレナリン受容体の活性化と引き続く細胞内cAMP上昇を介したL型Caチャネルの燐酸化であることがコンセンサスとなっている。一方、平滑筋Caチャネル(Ca_v1.2b)は心筋のものと95%のアミノ酸相同性がありながら、β-アドレナリン受容体刺激はほとんど作用せず、平滑筋自身は一般的に弛緩に傾く。この臓器・組織特異的な差異を作り出す基本的なメカニズムは、大きな謎であった。 本研究では、膀胱の平滑筋細胞に発現するCaチャネル電流特性を指標として、「L型Caチャネルはチロシン燐酸化に関連するメカニズムを介して、平滑筋モードと心筋モード間をlnterconversionする」という仮説を検証する研究を行った。膀胱組織は平滑筋タイプL型Caチャネルを大量に発現するため、このチャネルのキネティクスを研究するためには絶好の標本である。この細胞標本の平滑筋タイプL型Caチャネルは、通常より大きな脱分極を与えたときに、キネティクスの異なる(脱分極時に不活性化を受けず、再分極時にはゆっくりと脱活性化する)第二の開口状態へ遷移する。ATP感受性など性質の異なるいくつかのチロシンキナーゼ阻害剤の投与は、その阻害作用条件に従って第二の開口状態への遷移を抑制した。この結果は、上の仮説を強く支持するものであった。 私たちは、この成果の論文発表(Nakayama et al.2006)を行うとともに、心筋Caチャネルのβサブユニットとの結合による電流特性変化を報告する論文を発表した(Murakami et al.2006)。さらに、平滑筋L型Caチャネルの第二の開口状態遷移を特異的に強く抑制する新たな薬剤を見いだした。現在、その性質の特性を決定するための実験を進めている。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)