脳内シナプス前神経伝達物質放出関連分子の遺伝子導入および発現阻害法の確立
Project/Area Number |
17650116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurophysiology and muscle physiology
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 総夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20169519)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | RNA干渉 / 節状神経節 / 一次求心性線維 / 迷走神経 / 神経伝達物質放出 / シナプス伝達 / 遺伝子導入 / eGFP |
Research Abstract |
本研究の目的は、脳内シナプス前神経細胞への遺伝子導入およびタンパク質発現阻害の方法を確立することであった。この目的は達成され、極めて効率的なin vivo神経節遺伝子発現制御法を確立した。本法は以下の3段階からなる。 1.頚部節状神経節への高効率核酸導入 麻酔下に頚部節状神経節を露出し、神経節鞘内に核酸溶液を注入後、電気穿孔法によって細胞内に導入した。その結果、最適導入条件下、無視しうるほど僅かな細胞障害で約85%の細胞に核酸を導入することに成功した。 2.節状神経節における導入遺伝子発現およびノックダウンの効果の評価 核酸導入2-15日後に麻酔下に節状神経節を摘出した。EGFP遺伝子導入群においては、多くの細胞におけるEGFP発現を確認した。また、siRNA導入群においては、遺伝子ノックダウンの標的としてシナプス前で伝達物質放出を抑制するアデノシンA_1受容体の遺伝子を選び、導入の3-12日間持続するアデノシンA_1受容体mRNA量の有意な減少をreal-time RT-PCR法により確認した。この減少は対照のタンパクmRNAにおいては認められず、また、ランダム配列siRNAや溶液のみを導入した群においても認められなかった。 3.延髄孤束核におけるシナプス前分子発現抑制効果の評価 siRNA導入の11-15日後、孤束核2次ニューロンから記録された孤束1次求心線維刺激誘発シナプス後電流に及ぼすアデノシン(100μM)の効果が有意に減弱した。この減少は、ランダム配列siRNA・溶液導入群においては認められなかった。 以上より、節状神経節における遺伝子発現ノックダウンによって、極めて効率的なシナプス前分子機能阻害が可能であることが証明され、その方法が確立された。本法の細部を記した論文を現在投稿準備中であり、公表後は脳科学の進展に大いに貢献すると期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)