Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
筋萎縮は筋タンパク質の分解系活性が上昇することで惹起される.筋タンパク質の分解系にはリソソーム系,カルパイン系,及びユビキチン-プロテアソーム系の3経路が関与することが知られている.一方,運動は筋萎縮予防に有効な手段であることは知られているが,筋タンパク質の分解系活性への影響については不明確である.また,先行研究でプレコンディショニング運動(Pre-Ex)がラット尾部懸垂中の筋原線維タンパク質の減少を減衰させることを検証したが,その制御機構については検証できなかった.本研究ではPre-Exが筋タンパク質の減少を抑制する機構を明らかにするために,タンパク質の分解系の3経路に関与するカテプシンL,カルパイン3,及びユビキチンリガーゼ(E3),さらにタンパク質分解のトリガーや筋細胞のアポトーシスに関与するカスパーゼ3,また,タンパク質の品質管理に関与する熱ストレスタンパク質(HSP)72の各mRNAを測定して,Pre-Exの効果について網羅的解析を行った. 筋原線維タンパク質量は萎縮筋で有意に減少したが,Pre-Exでは筋原線維タンパク質量の減少を減衰させた.2週間の尾部懸垂によりカテプシンL,カルパイン3,及びE3は有意に増加を示したが,Pre-Exでは変化を示さなかった.一方,HSP72m RNAは萎縮筋で有意に低下したが,Pre-Exでは変化を示さなかった.カスパーゼ3のmRNAは3群間に差はなかった.2週間の実験期間内でラットヒラメ筋の筋原線維タンパク質量の減少を予防できた.この制御機構として,タンパク質分解系であるカテプシンL,カルパイン3,及びユビキチンリガーゼの活性化を抑制していることが検証できた.また,タンパク質の分子シャペロン作用をもつHSP72の減少を減衰することができた.これらの結果から尾部懸垂前の運動は筋タンパク質分解系の活性化を抑制でき,廃用性萎縮の進行を予防できることを示唆した.
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