視覚障害者の情報アクセシビリティを補償したセキュリティ技術に関する研究
Project/Area Number |
17650174
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Rehabilitation science/Welfare engineering
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
小野 束 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (20091829)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | バイオメトリクス / アクセシビリティ / アクセス制御 / 画像改ざん / セキュリティ / デジタルデバイド |
Research Abstract |
急速に普及が進むセキュリティ技術のうち、アクセス制御はユーザインターフェースを持つため視覚障害者が利用する場合の配慮設計が必須であると考える。本研究では、視覚障害者の利用機会の多いアクセス制御のうち、画像認証の視覚情報補償方法の実験、バイオメトリクスの問題点について調査・実験評価を行った。バイオメトリクスは記憶に頼らない安全な認証方法とされているが視覚障害者による評価は未だない。今回、二種類のバイオメトリクスについて視覚障害者の可用性等について実験的に評価した。実験は認証データ登録作業及び認証利用をビデオ撮影しながら行い結果を分析した。 1.画像認証の視覚情報補償実験 弱視者には認証画像が小さく見にくい。画像を拡大印刷し読む代替方式を考案した。一部改善されたものの、印刷画像作成時の改ざんによるセキュリティ面の課題も指摘された。 2.バイオメトリクス ア)指紋、静脈認証いずれも全盲の場合は単独で個人データ登録ができない。バイオメトリクス認証ソフトに上記と同様の画像認証過程が存在するためであった。 イ)物理的に指を置く失敗が起きやすく、認証ルーチンにうまく入れない。障害を前提に指を置きやすくする、などの対策が必要である。 ウ)第三者が障害者を手伝う、という前提で登録作業を行う。一般的に指の登録は複数指行えるので、作業途中で前記第三者が自分の指を登録しても気づかれることはなく、第三者に簡単に「なりすまし」攻撃をうけることがわかった。 以上、バイオメトリクスは安全とされているが、重度視覚障害者にとっては危険な面もあることがあきらかとなった。また、バイオメトリクスの機械的、ソフトウェア的設計、なりすまし対策の面から障害補償が講じられる必要性がある。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)