Project/Area Number |
17651007
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
伊藤 公紀 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (40114376)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 隆 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 助教授 (60344149)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | 北極振動 / 太陽磁気活動 / ^<14>C / ナイバシャ湖 / 海洋蓄積熱 / 雲量変化 / 放射強制力 / 太陽 / aaインデックス / 南極振動 / 大気自由振動 |
Research Abstract |
北極振動指数と、太陽磁気活動の指標aa指数との間には、顕著な関係が見られるが、その関係は複雑である。北極振動自体の機構も明確ではないので、本年度は関連する情報の収集を図り、研究の将来的見通しを得ることを試みた。また、北極振動の気候影響が大きいことを考慮して、気候変化が生態系に与える影響評価のため、生態系の回復性等の基礎的検討も併せて行った。 1.過去気候変動が太陽磁気活動変化で解釈できる新規可能性。周辺集落の盛衰を決定付けたアフリカ東部のナイバシャ湖の水深の変動は、宇宙線由来の^<14>C量変化と良く対応し、太陽光度の変化で議論されてきたが、太陽光度変動が小さい可能性は高く、降水量の大きな変化は説明できそうもない。しかし以下のように、北極振動を介する機構は可能と思われる。気温変化と北極振動指数の相関の空間的分布は、北極を中心とした四重極子型を示し、シベリア等で強い正の相関、グリーンランド等で強い負の相関を示す。降水量との相関は複雑であるが、地中海沿岸やアフリカ中央部などで強い正の相関がある。従って、太陽磁気の変動が、北極振動(あるいは南極振動)を介して降水量に大きな影響を与えた可能性がある。 2.海洋蓄積熱の新規解釈。海洋蓄積熱の測定結果を検討し、10年規模の変動が北極振動と火山の影響(エアロゾル)とで解釈できることを見出した。北極振動が強いとき、海洋蓄積熱は増加している。海洋蓄積熱はグローバルな放射強制力の指標であり、主として熱の再配分に与る北極振動との相関は一見奇妙である。この結果から次のような可能性が示唆された:1)陸部に配分された熱が、無視できない程度に大きい:2)雲量の変化等を介して、北極振動が放射強制力に直接関わっている。 3.複雑系の双安定に基づく回復性の検討 気候システムや生態系を複雑系として捉える過程で、その双安定性を基礎として、システム回復性評価の理論的検討を行った。
|