Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Research Abstract |
フッ素置換化合物(perfluorinated compounds : PFCs)の毒性影響に関する情報は限定されており,ヒトや野生生物へのリスクを評価するには不十分である。本研究では,オリゴアレイより得られた遺伝子発環プロファイルデータを用いて,PFCs濃度依存的に発現が変動する遺伝子群をスクリーニングし,PFCsによる毒性影響を予測した。さらに,同一個体で測定したダイオキシン類の蓄積濃度データを解析に加え,PFCsとダイオキシン類による複合毒性影響の評価を試みた。遺伝子発現レベルとPFCs蓄積濃度との関係を解析した結果,PFCs応答遺伝子の候補として74種類の遺伝子が挙げられた。そのうち,glutathione peroxidase 1(GPX1), glutathione S-transferase alpha 3(GSTA3), heat shock 70 kDa protein 8(HSPA8), tumor rejection antigen 1(TRA1)のmRNAレベルをreal-time RT-PCRで定量したところ,PFOS蓄積濃度とGPX1およびGSTA3の間に正の関係が,PFOSとHSPA8およびTRA1の間に負の関係が検出された。したがって,PFOSあるいはその他のPFCsによって,これらの遺伝子はそれぞれ正または負の制御を受けていると推察された。また、重回帰分析の結果,7種類の遺伝子の発現量は,PFCsおよびダイオキシン類の蓄積濃度によって説明可能であり,それらは複合的な影響を受けていることが示唆された。例えば,CYP1A mRNA発現量は,PFNAと2,3,7,8-TCDD毒性換算等量によって説明された。さらにCYP1Aタンパク質発現量およびEROD活性も同様であった。
|