Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
有機溶媒(展開溶媒)をほとんど使わない低環境負荷型のクロマトグラフィー開発を目的とし,ディスク状担体の試作と従来型クロマトグラフィーとの機能比較を行った.昨年作成したセルロースを主体とするディスク状担体では,ディスクの積み重ね方が分離能に影響すると考えられたため,今回圧力を加え均一に積層したものについて機能評価を行った.その結果,多少の分離能向上は見られたが,根本的な改蕃にはつながらず,また,ディスク厚の異なるものについても同様に検討したが,ディスク厚はほとんど分離能に影響を与えないことが分かった.そこで担体をセルロースから薄層クロマト用のシリカゲルに代え,これに硫酸カルシウムを加えてディスク状に成型したものについて検討した.機能評価を行う際には,これをガラスカラムに充填し,通常のカラムクロマトグラフィーと同じ操作で分離実験を行った.参照実験としでカラムクロマトグラフィー用シリカゲル(ワコーゲルC200)をカラムに同体積充填したものを用い,比較検討した.性能評価は極性の異なる2種類のサンプルを含んだ溶液をそれぞれの担体上部に吸着させ,これを有機溶媒により展開し,分離・溶出に要した溶媒量を比較した.その結果,セルロース担体で好結果が得られたベンズアルデヒドとN-フェニルマレイミドの分離のようにRf値の差が大きいサセプルだけでなく,比較的極性の似通ったRf値の差が小さいサンプルにおいても,ディスク状担体を用いた方が従来型クロマトグラフィーによるものよりも少ない溶媒量で分離できることが分かった.分離後,日的のサンプルを保持したディスクを少量の極性溶媒で洗浄することによりサンプル回収することが出来ることから,従来法に比べ使用溶媒量を大きく減らせられる低環境負荷型のクロマト分離が可能であることが明らかとなった.
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