Project/Area Number |
17651054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nanostructural science
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
秋山 公男 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (10167851)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | メゾスコピック系 / 磁性 / ナノ材料 / 電子スピン共鳴 / ラジカル対 |
Research Abstract |
本申請研究は、二重ラセン構造を持つDNA鎖の電荷移動の媒体としての特異性を明らかにすることを目的として行なわれた。このために、DNA二重鎖の構造的な不確定因子を除けるHair-pin構造を持つ合成DNAを主な研究対象として取り上げ、以下の点について、具体的な研究を進めた。i)多周波時間分解EPR法により、DNA鎖中で生成するラジカルあるいはラジカル対を直接捕捉し、その性質を明らかにする。ii)同一の塩基配列を持つ合成DNA二重鎖内のホールと電子の挙動を解明し、電荷輸送の全体像を明らかにする。平成17年度に得られた極低温での二重鎖内でのホールの性質についての結果を整理し、観測された時間分解EPRスペクトルの解析を進めた。二重鎖内のホールの性質をラジカル対の磁気的パラメータから明らかにし、その輸送機構との関連について検討を進めた。同時に、過渡吸収法による磁場効果測定も進め、EPR法の結果と相補的に用いることにより、ホール輸送は、極低温においてはHopping機構で起こっていることを確定した。また、ホール輸送の結果と対応させて、電子輸送機構についての研究へと展開したが、電子供与能の異なる二つの電子供与体系(Phenothiazine、Flavin)、いずれもDNA二重鎖への電子注入効率が低く、二重鎖内での注入電子の性質について明らかにする事は出来なかった。 17年度、18年度の研究を総括し、DNA鎖中で電荷移動機構を明らかにするとの当初の研究目的は、Hole輸送に関しては達成された。しかしながら、電子輸送に関しては依然として残された課題としてある。今後、電子輸送系についての研究への展開により、DNAの二重ラセン構造のもつ特異性についての研究の新たな局面を開拓されるものと確信している。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)