マトリックス中のナノ細孔設計による中空空間の高効率機能化
Project/Area Number |
17651075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nanomaterials/Nanobioscience
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
李 丞祐 北九州市立大学, 国際環境工学部, 助教授 (60326460)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 分子鋳型法 / チタニアゲル / 表面ゾルーゲル法 / 多孔性中空粒子 / ナノ細孔 / スピンコーティング / 有機・無機ナノ複合化 / 超薄膜 / 表面ゾル-ゲル法 |
Research Abstract |
中空空間をもつ新規ナノ材料の開発として、分子鋳型法や有機・無機ナノ複合化、ゾルゲル法などの技術を融合した物質の移動や伝達の可能な中空マトリックスの合成を試みた。一般に中空空間は固いマトリックスによって外部との接触が遮断された非効率的空間であり、識別や運送可能なマトリックスの設計は、中空材料の新しい可能性を生み出す鍵となる。平成18年度においては、マトリックス中へのホスト化合物を用いた分子認識サイトの導入と分子認識機能の検討を行った。具体的には、まず、鋳型となる有機分子をシクロデキストリン(CD)ホストとともに錯体を形成し、この錯体を金属アルコキシドと交互に積層化し、薄膜を作成した。次いでこの鋳型分子を除去することで金属酸化物マトリックス中に特定のボスト分子をアンカーとした鋳型分子の形を作成した(Biosens. Bioelectron.,22,388,2006)。この方法の特徴は、ホスト化合物をナノレベルのマトリックス中に導入でき、従って拡散性と分子認識能力の高い製膜プロセスが達成できることである。しかしながら、この製膜プロセスの短所として、マトリックスとなる金属アルコキシドの吸着に有機溶剤を用いるため、CD中に導入された鋳型分子の脱離の恐れがある。このような問題を解決するために、金属マトリックスの作成プロセスに気相表面ゾルゲル法を導入することを検討した。その他生体分子による製膜プロセスを試み、安定・均一な製膜や薄膜の機能化に有効であることが実証された(Chem. Lett.,35,990,2006)。さらに本研究では、抗アドレナリン薬として用いられているpropranololの光学異性体を持ち、スピンコーティングによる分子鋳型法を検討した。また、膜厚の制御や加熱処理を検討し、鋳型分子の吸着特性を調べたところ、ほぼ100%に近いキラル認識が可能であることが確認された(Proceedings of IEEE Sensors2006,1249,2006)。現在、これらの技術を利用した機能性中空粒子の合成を進行中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)