Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
今年度は仏教の空間表象の具体的な事例として,寺院内で行われる儀礼や,聖地の巡礼などを扱った。 これまで進めてきたインド密教やその流れを汲むネパール仏教の儀礼研究から,空間に闘連する情報を整理し,儀礼と空間との関係の解明を進めた。その成果の一部を『マンダラ事典』(春秋社平成20年4月28日刊)として刊行した。とくに,同書の第4章「マンダラの儀礼と実践」において,マンダラ制作儀礼と,それに続いて行われる灌頂などの密教儀礼を取り上げ,空間と儀礼の関係を明らかにした。また,インドと日本の空間表象の比較研究として,日本独自のマンダラ,すなわち,浄土教のマンダラ,神道のマンダラ,修験のマンダラ,民間信仰のマンダラなどを取り上げ,インドと日本の空間のとらえ方の違いや,その背後にあるそれぞれの文化の特質を明らかにした。その成果も同書の第6章「日本のマンダラ」第7章「マシダラの文化」として発表した。 日本の実践的な空間としては,平安時代に著されたたさまざまな修法の記録や指図などから,儀礼空間を再構築した。とくに天台宗の事相書『阿沙婆抄』や『門葉記』などを取り上げ,インド密教の儀礼空間が,日本にどのように伝わり,どのように変化を遂げたかを考察した。さらに,インドの文献だけでは解明できなかった儀礼空間の具体的なイメージについて,日本のこれらの文献を手がかりにして,考察を進めた。これらの成果は2008年2月1目に京都大学人文科学薪究所において行われた共同研究会「王権と儀礼」で,「灌頂の儀礼空間:インドから日本へ」というテーマで研究発表を行った。
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