考古学資料に基づく「寒冷化」現象把握のための基礎的研究
Project/Area Number |
17652074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Archaeology
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
甲元 眞之 熊本大学, 文学部, 教授 (70072717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小畑 弘己 熊本大学, 文学部, 助教授 (80274679)
田崎 博之 愛媛大学, 法文学部, 教授 (30155064)
杉井 健 熊本大学, 文学部, 助教授 (90263178)
寶月 拓三 熊本大学, 文学部, 教授 (90190181)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 寒冷化 / 砂丘 / 砂堤 / 砂地 / クロスナ層 / 水稲耕作 / 考古学 / 砂丘の形成 / 編年表 / 絶対年代 |
Research Abstract |
東アジアにおける砂丘・砂堤・砂地の形成状況を把握することで、考古学的資料から寒冷化した時期の特定に努めた。地球が寒冷化すると沿岸部では海退がおこり、それに伴って砂丘や砂堤が形成される。一方内陸地帯では植物の生育力が低下し、砂漠や砂地が拡大する。沿岸部の砂丘遺跡では、温暖化して砂の供給が停止すると植物が繁茂してクロスナ層が形成される。このクロスナ層に含まれる考古遺物や遺構を分析することで、砂丘や砂堤が形成された時期を特定することが可能になる。 西日本の沿岸地域での事例では、縄文時代早期と前期、前期と中期の境目、後期の後半の中頃、縄文時代と弥生時代の境目、弥生時代後期終末直前、古墳時代中期前半期にそれぞれ砂丘が形成されていたことが確認される。その中でも重要なのは、縄文時代と弥生時代を画する時期に寒冷乾燥化した現象が認められる。このことは広島県東広島市の黄幡1号遺構で検出された木材の年輪からも裏付けられる。すなわち紀元前750年をピークとする寒冷化現象は、オリエントや西ヨーロッパでも確認され、中国では軍都山の墓地の切り込み層位や、香港周辺地域の「間歇層」と対応し、西周末期の寒冷化に比定できる。北部九州ではこの時期に形成された砂丘の下部からは縄文時代晩期終末の黒川式土器が、砂丘の上層からは弥生時代初頭の夜臼1式土器が検出されることから、弥生時代の始まりは寒冷乾燥化した状況で成立したものであり、その時期はほぼ紀元前8世紀終わり頃と推定される。 砂丘の形成は沿岸地帯に後背湿地を形成するが、この生態環境は弥生水稲耕作民に格好の生産場所を提供したのであったことが、砂丘出土の遺物により確認される。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)