アスペルガー症候群の発達障害に関わる情動的調整のしくみの心理学的研究
Project/Area Number |
17653074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educational psychology
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
須田 治 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (50132098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 京子 兵庫教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (40173877)
本郷 一夫 東北大学, 大学院教育学研究科, 教授 (30173652)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | アスペルガー障害 / 発達障害の疑い / 情動発達 / 対人関係発達 / 発達心理学 / 青年 / 生理的指標 / 発達臨床 / アスペルガー症候群 / 思春期・青年期 / 事例インタビュー研究 / 幼児用スクリーニング / 感情世界・感情体験 / 障害特性 / 生育歴 |
Research Abstract |
アスペルガー障害および発達障害が疑われるケースへの関わりを介して、人間関係の発達と障害について、情動的な側面からとらえる研究を3側面からすすめた。 まず、アスペルガー障害をもつ青年の事例9ケース(AS郡)と、それぞれに同性同年齢でマッチングさせた健常者9ケース(NO郡)とに、実験をおこない、AS郡に特有な障害特徴解明を試みた。第1の実験では、情動的成分をもつ音調のナレーションを、対人的な対処の必要なトラブル場面についてのナレーションに含んで流し、その理解と対処を調べた。その結果、AS郡は短期記憶レベルでの内容把持困難が見られ、回答内容に、対人的把握における相互性なさや対応の一面性ほかが見出された。第2実験では、絵本をもちい、登場人物の情動とそのときの意図、やりとりの意味などを尋ねた。この結果でも、AS郡は短期記憶に関わるような内容の誤解が見られ、また回答内容に対人的な感情的意図の読み取りの誤りが見られた。 並行して、情動に伴う生理的変化を測定することによって情動を客観的に把握する試みがなされた。唾液を採取し,情動状態を反映するコルチゾールの測定を行った。その結果,乳幼児に対して苦手意識のある学生があやした場合,交流中に乳幼児のコルチゾール値が上昇した。一方,あやす側は交流中にコルチゾール値の有意な上昇はみられなかった。 さらに保育の場における「気になる」子どもに関しては、保育者間でしばしば認識の違いがあることが知られているが、そのような認識差の検討を行った。26名の「気になる」子どもについて、複数の保育者間の評定差の変化を約1年間、追跡した。その結果、領域別では、年度当初は「生活・遊び場面」「その他」において比較的評定差が大きいが、時期を経るごとに評定差が小さくなる傾向が認められた。因子別では、時期とともに「対人的トラブル」に関する評定差が小さくなる傾向が認められた。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)