Project/Area Number |
17653083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Clinical psychology
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Research Institution | Kobe Shinwa Women's University |
Principal Investigator |
末田 啓二 神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (30216270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 敦子 神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (70205699)
菊池 信子 神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (00204834)
丸山 総一郎 神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (70219567)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 教示行動 / 施設高齢者 / 心理的適応 / 世代間交流 / 半構造化面接 / 高齢者 / 社会的態度・行動 / フィールド研究 |
Research Abstract |
高齢者の「教える・伝える」行為(ここでは教示行動と呼ぶ)が高齢首自身の精神的健康や心理的適応にどのような効果を及ぼすかを、世代間交流の視点から検討した。 前年度は在宅健常高齢者を対象に、心理系女子院生・学生による半構造化面接を実施し、面接を通して高齢者の教示行動を触発した。その結果、質問紙調査法によって測定された心理的適応への高齢者の教示行動の効果は、一部認められたものの、一貫性のある結果は示されなかった。 本年度(最終年度)は施設高齢者を対象に、前年度の方法を一部変更して実施した。 被験者:68〜97歳の施設(ケアハウス、一養護老人ホームなど4施設)入居高齢者。実験群(面接群)32名、統制群(面接なし)28名。施設職員により面接・質問紙調査が可能と認められた者を選出し、本人及びその家族の同意を得て実施した。 面接者及び調査担当者:面接者と調査担当者はどちらも心理系大学院生・学生で、全員女性。 教示行動課題(面接課題):昔の遊び・童謡、食事、戦時中の生活など。 心理的適応・精神的健康の尺度(質問紙調査):PGCモラールスケール、自尊感情、統合性、GHQ、HDS-Rの5尺度。なお施設職員による行動評定として、N-ADLとNMスケールを加えた。 手続き:実験群は週1回、1時間、計8回の面接を同一面接者により実施した。面接期間の前後1週間、及び面接終了後約3か月(効果の持続性の確認のための追跡調査)の3回、同一の調査担当者により、同一の質問紙調査を実施。統制群は3回の質問紙調査を実験群と同時期に実施。 結果:7つの尺度はそれぞれ統制群に比べて実験群の方が、心理的適応が高まる方向に変化する傾向が見られた。ただし変化の時期は面接の前後であったり(統合性、HDS-R、ADL)、面接後の3ヶ月であったり(自尊感情、GHQ、PGC、NMスケール)、尺度により異なった。前年度の結果と同様に、全体的に分散が大きいため、統計的に有意な変化を示した尺度は少なく、高齢者の教示行動の効果は明確に示されたとは言えない。今後、より詳細な検討が必要である。毎回の面接の評価や最終回の実験群の感想など、質的研究の結果は別の機会に発表する。
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