Project/Area Number |
17654072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
曽越 宣仁 埼玉大学, 理工学研究科, 助手 (10361396)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 微粒子 / ダイナミクス / コロイド結晶 / フォトニック結晶 / 格子振動 / 光散乱 |
Research Abstract |
単分散な球状コロイド微粒子を純水に分散した系では、微粒子間距離がデバイ遮蔽距離より短くなるまで微粒子の体積分率を高くすると、静電的な反発力によって自発的に微粒子が整列する。本研究はこの分散液中で自発的に生成したコロイド粒子配列体の微粒子の運動ダイナミクスについて検討した。動的光散乱法を用いて、この微粒子のブラウン運動の激しさを見ると、配列を組んで結晶構造を組んだときに、見かけ上、より微粒子の運動が早く見える現象について検討を行った。結論からすると、微粒子は静電的な配列ポテンシャルの底で静止しているのではなく、多数の粒子が協調した運動モードである格子振動が熱的に励起されており、またこの運動モードは静電的反発力で結合しているために生じていると考えられた。また通常、微粒子のブラウン運動は溶媒の粘性のために数nmも進まずに減衰するが、格子振動として微粒子の集団が運動する場合には、溶媒の流れも伴っているために、過減衰ではなく持続的振動となり、これが観測にかかったと推測された。さらにこの考察を裏付けるように、格子振動の振動数が小さく、微粒子がゆっくり運動する運動モードを選択的に観測すると、このモードはより振動が持続的であり、溶媒を引きずる効果が高くなっていると考えられる。以上の考察は、動的光散乱法で微粒子の運動の時間的揺らぎを観察しながら、微粒子の体積分率を変化させる実験、および塩を加えてデバイ遮蔽距離を変化させる実験の結果得られた。
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