Project/Area Number |
17654078
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八尾 誠 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (70182293)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永谷 清信 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (30273436)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | クラスター / 電気伝導特性 / 単一分子計測 |
Research Abstract |
19年度は、18年度に開発した分子ビーム成装置と運動量イメージング計測装置を用いて、π共役電子を有する有機分子の実験を行った。運動量イメージング計測装置では、飛行時間型質量分析器に2次元検出器を組み合わせることで、生成した多数のイオンについて質量電荷比と運動量を計測可能な装置である。 試料には分子ワイヤとして応用が期待されるπ共役電子を有する有機分子について、分子のベンゼン環の数やベンゼン環の結合の仕方を系統的に変えて計測を行った。試料としては、臭素原子の反対位置の水酸基を有する分子を用い、酸素イオンを検出することで電荷が分子中を伝播したことを検証した。まず、ベンゼン環が1重結合で結ばれたフェニル系の分子で、ベンゼン環1個を有する臭化フェノールと2個有する臭化ビフェニルとで、臭素原子でX線吸収を起こした後の解離イオンの分析を行った。運動量イメージングから得られた解離イオン間の3次元運動量相関からは、X線吸収後に分子が大きな変形などを経ることなく、基底状態の形状を保ったまま即座に解離を起こしていることが明らかとなった。またいずれの分子の実験からも、臭素イオンと同時に酸素イオンが生成するイベントが確認されており、臭素原子上で生成した電荷が分子を介して酸素原子まで伝播したことが実験から直接確認できた。 さらに、分子長に増大に伴い臭素から酸素へ電荷が到達する確率が低下することが確認されており、分子長により伝導特性が変化していると考えられる。 以上の実験結果は、本研究で提案している非接触式の電気伝導特性計測手法が、クラスターにとどまらず単一分子にいたるナノスケール物質の計測に適用できる一般的な手法となりうることを示している。
|
Report
(3 results)
Research Products
(14 results)