Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,「地表生成の」放射性核種アルミニウム26(半減期71万年)とベリリウム10(半減期150万年)に基づいて,十万〜数百万年前の陸域堆積物に対する新たな年代決定法を開発することである.本年度も,世界最古の湖であるバイカル湖の湖底堆積物深層部から得られた試料を対象に,堆積物粒子の内部に保存された極微量のアルミニウム26とベリリウム10を加速器質量分析法により分析し,それに基づいた年代決定の可能性を検討した.前年度見い出されたアルミニウム26濃度とベリリウム10濃度及びアルミニウム26/ベリリウム10比の深度方向への減少傾向は,今年度得られたデータにおいてもより補強された.またアルミニウム26濃度が,ベリリウム10濃度やアルミニウム26/ベリリウム10比よりも,固有の半減期に沿って分散の少ない良い減衰曲線を描くことも変わらなかった. こうした各核種濃度の振る舞いの原因を探求するために,実験系の再検討や集水域から湖への物質移動のモデル化を行った.その結果,実験系には大きな問題は認められなかった.バイカル湖の集水域を模して構築した物質移動のモデルにおいても,アルミニウム26の初期濃度を他よりも一定化させる必然性は,導き出せなかった. 一方で,バイカル湖集水域にてより標高が高く宇宙線照射の強い場所にある古代湖,フブスグル湖の湖底堆積物についても同様の分析を試みた.その結果は現在解析中である.解析された結果を総括し,平成20年度に開催される加速器質量分析の国際会議などにて,今後発表する予定である.
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