Project/Area Number |
17654112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Geochemistry/Astrochemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 智樹 九州大学, 大学院理学研究院, 助教授 (20260721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 敬介 東京大学, 理学研究科, 教授 (40131619)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | コンドリュール / コンドライト / 静電浮遊法 |
Research Abstract |
コンドリュールとは太陽系最古の岩石であるコンドライト隕石に多数含まれる直径1mm程度の珪酸塩鉱物を主体とした球粒である。コンドリュール自体は天体が形成される以前に、原始太陽系星雲内で固体前駆物質が加熱・急冷されることで形成されたと考えられる。コンドライト隕石に多産するコンドリュールの形成・加熱機構は、太陽系の小惑星や惑星の起源を解明するという点で惑星科学の第一級の課題であるが、100年以上の論争を経ても未決着のままである。本研究では、宇宙空間の環境に限りなく近い条件でのコンドルールの再現実験を通して、コンドリュールの形成条件を解明することを目指す。本研究で採用する静電浮遊法によるコンドリュール再現実験は、圧密固結した紛体を真空中で浮遊させてレーザー加熱し溶融させるため、過去の方法のすべての問題点を解決する革新的方法である。 作成した静電浮遊装置を用い、基礎実験を行った。カンラン石の小片下部に高電圧をかけて浮遊させることを試みた。3-5KeV程度で浮遊する現象が確認できたが、浮遊時の姿勢が全く安定せず、現状の装置では浮遊させたまま結晶を溶かすのは困難であることがわかった。その後、宇宙航空研究開発機構の石川毅彦博士(物性物理学)と相談した結果、石川博士が主に金属材料の電磁浮遊溶融に使用している装置を利用して、コンドリュールに近い化学組成の球粒を電磁浮遊溶融させてみることになった。試行錯誤の結果、いくつかのフォルステライトの電磁浮遊溶融に成功した。溶かして急冷した試料内部を光学顕微鏡と電子顕微鏡で観察したところ、天然のコンドリュールに似た棒状組織が再現されていることがわかった。この結果は、電磁浮遊溶融によって初めてコンドリュールに似た組織を再現したという意味で価値がある。今後は、コンドリュールの化学組成と同一の物質を電磁浮遊溶融させることにより、天然のコンドリュールの組織を完全に再現することを目指して、新しい研究展開をはかる予定である。
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