Project/Area Number |
17655003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
中林 誠一郎 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (70180346)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ナノ気泡 / ブタン / ラプラス圧 / 固液界面 / 線張力 / 表面張力 / 自己組織化 / 相転移 / 原子間力顕微鏡 / Si(111) |
Research Abstract |
超純水と接した金基板表面、高配向性黒鉛表面、さらには、白金基盤表面で、ナノバブルを観測した。また、これらの界面では、電解液中でも、安定にナノバブルを観測し得た。極めて簡単な計算(気体の状態方程式)により、気泡内圧を1気圧と仮定すると、ナノ気泡内の気体分子総数は、1000分子程度と極めて少ない。1000分子で、気泡が形成されるのは、極めて不思議である。ところが、気泡半径が小さいと、表面張力による圧縮効果により、気泡内圧は、数万気圧になると予想される(ラプラス圧)。このような高い内部圧力と、固気界面の表面エネルギー、固気液体3相界面の線張力が拮抗してナノバブルの安定性は保たれる。本研究では、(1)赤外線吸収の線巾が気体圧力に依存して変化する事を利用して、ナノバブル内の高圧状態を、直接観測すること。(2)電気化学や化学熱力学の分野で極めて重要な、標準水素電極反応におよぼすナノバブルの高圧影響を明らかにすること。以上2点を、目標とした。それぞれの目標は、「ゲルマニュウム上の全反射赤外スペクトル測定」、「原子間力顕微鏡と組み合わせた精密電位測定」を実験手法として達成した。特にシリコン(111)面上のブタンナノ気泡に注目した。多重反射赤外分光測定により、10-100nmのブタンナノ気泡では、気泡内のブタンガスは、ラプラス圧により気体状態を保てず、液体化していることが明らかになった。さらに、この結果は、原子間力顕微鏡のForce-Distanceカーブの測定からも、明らかになった。ナノバブルは、実は身の回りの自然にある一般的な現象であるにもかかわらず、観測の方途が無かったために、長い間知られていなかった極めて特異な現象であるが、半導体プロセスにおける基板の洗浄や、水溶液中での有機反応など、理学および工学において有用な展開が期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)