中性子散乱によるリポソーム間の脂質交換反応の速度論的解析
Project/Area Number |
17655005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中野 実 京都大学, 薬学研究科, 助手 (70314226)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 中性子小角散乱 / 脂質交換速度 / レシチン / リポソーム / アポリポタンパク質 / 蛍光エネルギー移動 / 両親媒性ペプチド / 同位体 |
Research Abstract |
リン脂質dimyristoylphosphatidylcholine (DMPC)からなる一枚膜ベシクル(LUV)および両親媒性ペプチド18AとDNPCとのディスク状複合体について、H体、D体それぞれのDMPCを用いて調製し、D_2O/H_2O=1:1の緩衝液中で中性子小角散乱測定を行った。まず、D体LUVとH体LUVがほぼ等しい散乱強度プロファイルを示すこと、D体とH体をそれぞれ50%含むLUVからはほとんど散乱が観測されないことを確認した。次に、D体LUVとH体LUVを1:1で混合し、その後の散乱強度を時分割測定で評価した。その結果、散乱強度は時間とともに減衰し、温度の上昇とともに、減衰速度が速まることが判明した。また、この減衰挙動はDouble-exponential関数でフィットできたことから、強度減衰には2つのモードが寄与していることが示唆された。これらは、脂質が粒子間を移動するモードと、粒子内で脂質二重層の表と裏を移動するフリップフロップに起因すると考えられ、37℃におけるそれぞれの半減期が約150分、510分と求められた。一方、ディスク状複合体については、H体ディスク、D体ディスクを1:1で混合すると直ちに強度減少が終了し、粒子間の脂質混合が観測の時間スケールよりも早いことが判明した。この結果は、ディスク同士の融合を示唆している。蛍光エネルギー移動を利用した実験においても非常に速い、かつ濃度依存的な蛍光脂質の移動が観察されたことから、ディスク間で速い融合、解離が起こっていることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)