Project/Area Number |
17655008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Osaka University (2006) Kobe University (2005) |
Principal Investigator |
水谷 泰久 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (60270469)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 一分子測定 / 時間分解分光法 / 蛍光分光法 / タンパク質ダイナミクス |
Research Abstract |
1.検出器の時間分解能 周期的な変調を加えたレーザー光強度を測定することによって、検出器の時間分解能を調べた。昨年度は、転送時間が本来の値よりも36マイクロ秒余分にかかるという問題があり、今年度はこの問題の解決を行った。変調周波数から求めた1ピクセルあたりの時間幅と、露光時間および電荷転送時間から予想される時間を比較し、検出器は設計どおり1.5マイクロ秒の時間分解能をもつことを確認した。 2.一分子検出法の検証 蛍光ビーズ水溶液および量子ドット水溶液に対して、上記の測定システムを用いて一分子(一粒子)検出のテスト実験を行った。蛍光ビーズ水溶液および量子ドット水溶液では、時間トレースに時々バンドがランダムに観測されたのに対して、蒸留水では、そのようなバンドはまったく観測されなかった。このことから、観測されたバンドは蛍光ビーズあるいは量子ドットによると帰属した。観測されたバンドの出現頻度を、濃度を変えて、数えたところ、出現頻度は濃度に比例することがわかった。また、バンドの強度は、濃度によらずほぼ一定であった。さらに、発光波長の異なる2種類の量子ドット混合溶液について測定を行なったところ、時間トレースにおいて発光ごと2種類の異なった波長に発光が観測された。各発光の中心波長はそれぞれの量子ドットの発光波長いずれかに一致した。このことは、溶液中の2種類の量子ドットが区別して観測されていることを示す。 以上の結果は、蛍光ビーズあるいは量子ドット1粒子ずつからの蛍光が観測されていることを意味している。これまで測定の結果から、本方法によって、一分子の蛍光スペクトルを、マイクロ秒の時間分解能で検出することができるという見通しがたった。
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