Project/Area Number |
17655027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小江 誠司 九州大学, 未来化学創造センター, 教授 (60290904)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 水中 / 環境対応 / 触媒・化学プロセス / ヒドリド錯体 / 錯体化学 / 水素 / 還元 / 反応制御 |
Research Abstract |
硫酸は化学工業で使用される酸の中で最も使用頻度の高い重要なものであるが、廃液硫酸の資源としての有効利用はほとんどなされていない。これは硫酸イオンを工業的に温和な条件下で亜硫酸イオンに還元する方法がないからである。一方、自然界では硫酸還元菌において、系内のヒドロゲナーゼが水素分子を活性化し、取り出した電子を用いて、硫酸イオンを亜硫酸イオン(最終的には硫化物イオン)に常温・常圧下で還元すると考えられているが、その詳細なメカニズムは未だ解明されていない。ニトロゲナーゼによる窒素固定反応も、十分に窒素がある条件でも常に水素発生を伴う。そのため、研究の初期にはニトロゲナーゼはヒドロゲナーゼの一種であると考えられていた。しかし、ニトロゲナーゼの触媒反応における水素発生の理由については、現在でも依然として明らかになっていない。本研究ではニトロゲナーゼの触媒反応における水素発生をヒドロゲナーゼの行う水素分子の活性化に当てはめた。即ち、「ヒドロゲナーゼが温和な条件下で硫酸イオンを亜硫酸イオンに還元できるのは、水素発生を伴うことにより水素分子を活性化するからである」と考えた。本研究の目的は、「水素発生を伴うことにより可能となる常温・常圧下での硫酸イオンから亜硫酸イオンへの触媒的水中還元反応」を開発することである。平成17年度は、ヒドロゲナーゼが行うのと同じ「水中、常温・常圧下での水素発生を伴う水素分子の活性化」を検討した。その結果、ジギ酸ロジウム錯体から水素発生を伴う、二酸化炭素の還元によるCOジヒドリドロジウム錯体の合成に成功した。
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