触媒的不斉付加環化反応を用いる新規キラル化合物群の創製と評価
Project/Area Number |
17655044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柴田 高範 Waseda University, 理工学術院, 教授 (80265735)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 選択的合成・反応 / 有機金属触媒 / ファインケミカルズ / 不斉合成 |
Research Abstract |
報告者は、キラルイリジウム触媒を用い、「アルキンの三量化によるベンゼン環の構築とともに軸不斉を創製する」というコンセプトで総括的に研究を行っている。今回は、複数の反応点をもつ連続反応に焦点を当て、軸不斉ビアリール骨格の構築を検討した。 まず、1,3-ジイン部分により二つの1,6-ジイン部分が連結されたテトラインと、アルキンの分子間連続的[2+2+2]付加環化反応を検討した。その結果、従来の1,6-ジインとアルキンの反応の場合と異なり、アルキンの嵩高さがエナンチオ選択性に影響を及ぼすことがわかった。例えば2-ブチン-1,4-ジオールを嵩高いシリル基で保護したアルキンを用いることにより、90%前後の高い不斉収率で、ビアリール誘導体を得ることができた。 次に、1,3-ジイン部分により二つのトリイン部分が連結されたヘキサインの分子内連続的[2+2+2]付加環化反応を検討した。その結果、両末端にアリール基、あるいは嵩高いイソプロピル基を導入した基質を用いることにより、対応するビアリール誘導体を高不斉収率で得た。 さらに、ベンゼン環により架橋された1,7-ジインを出発物質として、アルキンとの分子間[2+2+2]付加環化反応、生成物の1,4-シクロヘキサジイン部分の酸化による芳香化を二回繰り返すことにより、軸不斉を有する光学活性なペンタセン骨格の合成に初めて成功した。 これらの結果は、アルキン類の[2+2+2]付加環化反応による軸不斉の創製というコンセプトの汎用性を示すとともに、芳香環を含む多縮環型光学活性化合物の合成手法を提供したと言える。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)