Project/Area Number |
17655051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Polymer chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
青島 貞人 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (50183728)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | リビングカチオン重合 / 超高速リビング重合 / 添加塩基 / ルイス酸 / 四塩化スズ / 塩化鉄 / ビニルエーテル / 刺激応答性ポリマー |
Research Abstract |
我々はこれまで、構造や分子量の制御された刺激応答性ポリマー合成のために、リビングカチオン重合の開始剤の検討を行ってきた。しかし、分子量分布の狭いリビングポリマーを得るためには活性種を安定化させる必要があり、重合完結に数時間から数日を要することが多かった。ビニルエーテル(VE)を用いて検討を行った結果、ルイス酸として四塩化スズを用いると、極めて分子量分布の狭いポリマーが得られるだけでなく(M_w/M_n【less than or equal】1.05)、10^3倍以上著しく重合が加速されることがわかった。また、より塩基性の弱いルイス塩基を使用したところ、1〜2秒という極めて短い時間で、分子量分布がM_w/M_n【less than or equal】1.05のリビングポリマーが再現性よく合成できるようになった。そこで、この迅速系の反応機構について詳細に検討を行った。 さらにこの触媒系の新しい特長として、従来の系でリビング重合が困難であった、アミドなどの極性官能基を有するモノマーやスチレン類のような反応性の小さなモノマー、逆に反応性が高すぎるモノマー(α-メチルVE)からもリビングポリマーを得ることができた。 また、種々の中心金属を有するハロゲン化金属(ルイス酸)を用いて、新しいリビングカチオン重合の可能性を検討した。その結果、ほぼ全てのハロゲン化金属を用いた重合系において、添加塩基存在下でリビングカチオン重合が進行することがわかった。例えば、FeCl_3は、AlやSnなどの塩化物に比べ取り扱いが容易で、経済性に優れ、環境への負荷も小さい。VEのHCl付加体を開始種に用い、1,4-ジオキサン存在下、0℃でアルキルVEの重合を行ったところ、重合完了まで15秒と、反応はかなり速い上にM_w/M_nが1.05程度のポリマーが得られた。また、上述のような均一系とは異なり、固体酸(金属酸化物)を用いた不均一リビング重合の予備検討も行った。これまで、イオン重合での不均一触媒リビング系の成功例はない。用いた酸化鉄(Fe_2O_3)触媒系で得られたポリマーの分子量分布は極めて狭く、リビング性を有することが示された。また、不均一系のため触媒の除去が非常に簡単であり、従来の触媒除去には莫大な手間と費用が必要で副産物も多かったことを考えると、極めて有効な系である。さらに、触媒の再利用も可能なことがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)