Project/Area Number |
17655072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemistry related to living body
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山本 泰彦 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (00191453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三田 肇 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 講師 (00282301)
長友 重紀 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 講師 (80373190)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 核酸 / ヘム錯体 / 四重鎖DNA / G-カルテット / 分子認識 / NMR / 機能性核酸 / π-πスタッキング |
Research Abstract |
四重鎖DNAのG-カルテットの平面性とその大きさは、ヘムのポルフィリン環の認識に適している。G-カルテットを形成する4つのグアニンのπ電子系は、ヘムのポルフィリン環のπ電子系とπ-πスタッキングして、安定な複合体を形成することが期待されるからである。さらに、アデニンやグアニンのプリン環のN7窒素原子は金属との反応性が高いことから、ヘムのポルフィリン環の中心金属と配位結合を形成することも期待できる。私共は、ヘムとG-カルテットをもつ四重鎖DNAから安定なヘム-核酸複合体が生成することを明らかにしている。ヘムと塩基配列TTAGGGにより形成される平行型四重鎖DNAから、結合定数〜10^6M^<-1>で1:1のヘム-核酸複合体が生成することを見いだした。各種分光学的手法によるヘム-核酸複合体の構造解析から、ヘムはDNA塩基対にスタッキングしていること、ヘム鉄の軸配位子としてDNA塩基が結合していること、複合体を形成してもDNAの立体構造にはほとんど影響を受けないことなどを明らかにした。溶液NMRにより複合体の立体構造解析を進めているが、ヘム鉄の常磁性がNMRスペクトルに与える影響が予想以上に大きく、ヘム近傍の構造解析の分解能を向上させるためには更なる工夫が必要である。そこで、私共は、ヘムのモデルとして、ポルフィリン環のメソ位にN-メチルピリジンをもつポルフィリン誘導体と平行型四重鎖DNAとの複合体の立体構造をNMRにより決定した。その結果、ポルフィリン環は予想通りG-カルテットにスタッキングしていることが示された。したがって、ヘム-核酸複合体中のヘムも同様な様式で平行型四重鎖DNAに結合していると考えられる。このように、本研究では、四重鎖DNAを利用してヘム-核酸複合体を創製するための有用な知見を得ることができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(20 results)