自己組織化した単分散鉄微粒子の形成と巨大磁化窒化鉄の生成への応用
Project/Area Number |
17655090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic industrial materials
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉川 信一 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (10127219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 紘基 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (10002023)
武田 隆史 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (60344488)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | セラミックス / 自己組織化 / ナノ材料 / 無機工業化学 / 磁性 |
Research Abstract |
窒化鉄Fe_<16>N_2は巨大磁化をもつ磁性体として期待されているが、熱的に準安定であるために合成が困難である。α-Fe微粒子を原料として100℃程度の低温でアンモニア窒化すると合成できる可能性を既に明らかにした。しかしその生成および磁性の発現には、原料となるα-Fe微粒子の粒径、粒度分布および表面状態が重要である。 前年度には安定化剤としての界面活性剤オレイン酸およびオレイルアミンが共存するオクチルエーテル溶媒中において、ペンタカルボニル鉄Fe(CO)_5を熱分解した。単分散性の良いα-Fe微粒子が得られたが、安定化剤/Fe(CO)_5モル比=0.2、0.5、2の場合には、粒径はそれぞれ約5nm、10nm、20nmであった。しかしこの合成法ではα-Fe微粒子の粒径は30nm程度が上限であり、強磁性体の生成に有効な100nm程度まで大きく成長させることはできなかった。 本年度には、水溶液法で合成した3種類のFe_3O_4微粉末A・B・C(粒径200nm・100nm・40nm)と気相法で合成したγ-Fe_2O_3微粉末D(30nm)、気相法で合成したα-Fe微粉末E(100nm)を、 A〜Cはあらかじめ400℃・16時間、Dは500℃・10時間水素還元した。 Eは還元せずにそのまま窒化原料とした。 還元後のA・Bを180℃で窒化すると少量のFe_<16>N_2が生成したが、大部分は未反応のα-Feであった。200℃以上でもFe_<16>N_2は増加せず、 Fe_3NやFe_4Nの生成量が増加した。一方Cは、170℃窒化時に約70%の収率でFe_<16>N_2が得られた。しかし、磁化の低いFe_3NやFe_4Nの混在により飽和磁化は154emu/gと窒化前のα-Feの172emu/gから減少した。保磁力は1062oeと比較的大きな値を示した。 また、Dを出発原料とした場合には、170℃窒化時にFe_<16>N_2が約80%の収率で得られた。 Eを170℃で窒化すると、約95%の収率でFe_<16>N_2が得られた。しかし、原料粉中の酸素に由来するFe_3O_4の生成により飽和磁化は157emu/gに留まった。同様の条件下で試料を撹拌せずに窒化したところFe_<16>N_2の収率は約90%に低下した。試料の撹拌が低温窒化における反応性向上に寄与することが分かった。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)