非線形化学ダイナミクスに基づく自己組織化による秩序ナノ構造形成
Project/Area Number |
17655095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic industrial materials
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中戸 義禮 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70029502)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 電気化学振動 / 電析反応 / 自己組織化 / 非線形化学 / ナノ構造 / 金属格子 / 界面活性剤 / 散逸構造 |
Research Abstract |
本研究では、金属電析反応に電気化学振動をカップリングさせ、電析反応を自己組織化的に制御することによって、ナノないしはマイクロメートルサイズの微細秩序構造を形成することを目的に、研究を進めた。まず、これまでの研究で明らかにしている強アルカリ性水溶液中のスズの振動電析による2次元の金属格子の形成について、さらに研究を進め、電流密度の変化および水溶液中のスズイオンの濃度の変化により金属格子のサイズが変化することを見出し、これによって金属格子のサイズの制御が可能となることを明らかにした。特に電流密度の変化は外部から瞬時に行えるので、これを利用して格子サイズの瞬時の変調や連続的な変調が可能になることを明らかにした。また、金属格子の形成機構についても考察を進め、電極表面上に金属格子群が成長することによるスズイオンの拡散の抑制と金属格子群の内部の溶液中のスズイオンの枯渇が振動の生起に基本的な因子として働くことを明らかにし、シミュレーションによって再現することにより、これを確証した。一方、界面活性剤存在下でのスズ・銅合金の振動電析によるナノ周期の多層膜の形成についても研究を進め、水溶液中の銅イオンやスズイオンの濃度を変化させることにより多層膜の周期を変調できることを明らかにした。さらに、オルトフェナントロリン存在下での銅の振動電析による銅多層膜の形成についても機構解明を進め、電極電位を負にシフトさせたときに生成するオルトフェナントロリン銅(I)錯体の銅結晶の特定面への吸着が振動の発生ならびに多層膜形成に決定的な因子となっていることを明らかにした。これらの成果により、金属電析反応と電気化学振動とのカップリングが秩序ナノ構造の形成に新しい手法を提供することが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)