遷移金属ハライドクラスタの配位子連結型低次元分子アレイの構築
Project/Area Number |
17655096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic industrial materials
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
犬丸 啓 広島大学, 大学院工学研究科, 助教授 (80270891)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 超分子 / 自己組織化 / ナノ構造 |
Research Abstract |
本研究では、低次元版超分子化学の展開の端緒をつかむことをめざし、遷移金属ハライドクラスタをビルディングブロックに選び、1次元ナノ細孔や、金属、グラファイト表面上で互いに配位結合により連結したクラスタ分子の規則的低次元アレイを構築する。STM, AFM観察によりその生成を実証する。 金属ハライドクラスタ(Mo_6Cl_8やNb_6Cl_<12>)は、1nmと比較的大きな無機分子性クラスタでありながら、酸化物クラスタであるヘテロポリアニオンと異なり、1クラスタあたり6箇所の配位子が結合できる金属サイトがある。これを利用して無機クラスタ分子の低次元規則配列を試みた。まず,STM観察のために金属伝導性をもちかつ原子レベルで平滑な基板を得るため,SiやMgOにAuやMoNの薄膜蒸着を行なった.その結果,Si基板へのAu蒸着がもっとも有効であることが分かり,蒸着条件を最適化した.次に,基板の表面に配位吸着したMo6核ハライドクラスタのSTM観察を行なった.大気中での観察では再現性が得られなかったので,水中での観察を試みた.これにより,クラスター像と考えられる像が得られたが,その高さ方向の変異はクラスタの直径よりかなり小さく,検討を要する.末端塩素をSCNで置換した場合の観察も行なった.周期構造とはいえないが,表面に吸着したクラスタと考えられる像を水中AFMで観測することができた.XPSによる組成分析結果と観測されたクラスタ表面密度は一致しない場合があり,これは今後の検討課題である. 以上,基板表面に無機クラスター分子を吸着させ,STMでの観察を行ない,低次元版超分子化学という新しい研究領域の開拓の端緒をつかむことができた.今後はデータの信頼性の向上と配位子によるより積極的な規則配列制御が課題である.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)