Project/Area Number |
17655100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Polymer/Textile materials
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中條 善樹 京都大学, 工学研究科, 教授 (70144128)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ハイブリッド材料 / ゾル-ゲル法 / 傾斜材料 / ガス透過 / 表面自由エネルギー / ポリ(ビニルアルコール) / ナノ構造 / 遷移金属塩 / 有機-無機ハイブリッド / ガス透過膜 / 水素結合 / π-π相互作用 / 多孔質シリカ |
Research Abstract |
本研究では、有機-無機ポリマーハイブリッドを製膜し、分子複合材料としての優れた特性を活かして、ガスの選択透過膜として利用することを目的とした。その際、表が有機成分、裏が無機成分の傾斜的ナノ構造を形成させることにより、従来の有機高分子膜や無機膜の欠点を克服し、長所を兼ね備えた画期的な材料になると期待できる。 有機-無機ポリマーハイブリッドをガスの選択的透過に用いた例は従来全く知られておらず、これまでに知られている有機膜や無機膜と比べて、一部のハイブリッド膜には、次のような特徴が新たに見られた。いずれもガス透過膜としては画期的なものであり、独創的な膜材料が調製できたと結論づけられる。 (1)熱性に優れ、高温でのガス透過が可能となった。 (2)機械的強度に優れ、厳しい条件下での繰り返し使用や長期使用に耐える膜材料であった。 (3)有機膜と比べて耐溶剤性に優れていることが分かった。 (4)無機膜とは異なり、柔軟性や加工性に優れており、欠陥のない均一な薄膜が形成できた。 さらに、ハイブリッド膜の有機成分と無機成分の表面自由エネルギーの差を利用して、膜の片面に有機成分が、もう一方の面に無機成分が偏析した傾斜、ナノ構造を有するハイブリッド膜を作成することにも成功した。 また、ハイブリッド合成の階段で、有機高分子成分に種々の官能基を導入し、ガス選択透過膜としての溶解度係数に与える影響を調べた。具体例として水酸基を導入した場合には,ガスバリアー性を示すことが分かった。 一方、遷移金属塩を含むハイブリッド膜も合成し、ガス透過に及ぼす効果を検討した。現時点では,特に顕著な効果は見られなかったが,今後このような遷移金属含有ハイブリッド膜は、ガスの透過的分離のみでなく、例えば有機性蒸気のクラッキングやオレフィンの飽和化などの触媒効果も期待でき、高性能分離膜としての利用が考えられる。
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