Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Research Abstract |
本研究は,同軸円筒型慣性-静電閉じ込めD-^3He核融合陽子源を製作し,この陽子源の放電特性および陽子生成特性を計測し,数値シミュレーション結果との比較により,PET(Positron Emission Tomography)製剤製造のためのコンパクトな核融合陽子源を開発するための基礎資料を得ることを目的として行われた。1年間の研究により,以下の結果を得た。 1.最初に,D-D核融合による陽子の検出を行い,中性子生成率の測定値との比較により,陽子検出器の較正を行った。高電圧放電を用いるため,電子の制動放射によるX線が発生する。このため,X線にも感度のある陽子検出器を使う場合,X線を遮蔽する必要がある。D-D核融合の場合,金属薄膜フィルターだけでは,D-D核融合による低エネルギー(3.03MeV)の陽子を透過し,X線だけを遮蔽することが難しかったため,数値シミュレーションにより陽子軌道を求め,電磁偏向を用いた陽子検出器を製作した。なお,陽子検出素子にはSSD(Silicon Surface Barrier Diode)を使用した。 2.中性子生成率と比較すると,陽子の検出効率が非常に低い(計算値の0.1〜0.001程度)ことが明らかになった。シミュレーション結果との比較から,これは真空容器内の比較的広い領域で核融合反応が起こっているため,検出器に到達できない多数の陽子が存在するためであると推定された。この測定方法を使うと,将来,核融合反応の分布を計測できる可能性がある。 3.D_2と^3Heの混合比を変化させながら陽子生成率を測定し,^3Heの単位消費量当たりの陽子生成率を最大にする最適なガス混合比として1.5:1を得た。なお,実験では,放電電圧55kV,放電電流15mAにおいて定常的に2×10^6n/sの陽子生成率を得ることができた。
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