ブラックホールと超音速流とのアナロジーに基づくホーキング輻射理論の実験的検証
Project/Area Number |
17656073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 英生 京都大学, 工学研究科, 教授 (50166964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪上 雅昭 人間, 環境学研究科, 教授 (70202083)
武石 賢一郎 大阪大学, 工学研究科, 教授 (70379113)
岩井 裕 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00314229)
齋藤 元浩 京都大学, 工学研究科, 助手 (90314236)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | ホーキング輻射 / ブラックホール / ラバールノズル / 超音速流 |
Research Abstract |
本研究では、ブラックホールで起こるホーキング輻射をラバルノズルで作られる擬似ブラックホールを用いて類似の現象を観測することを目的とする。流体を音速で流すと下流側から発した音波は上流側に伝わらない。この現象とブラックホールの光波がブラックホールの外に伝わらないという現象とのアナロジーによって擬似ブラックホールを作り出す。実際のブラックホールからの放射では、放出されるのは量子力学的な粒子でありノズルでそれを観測することは不可能である。そこで、非量子的な対応物を次のように考える。下流から音波を発しながら、ノズルの流れの流速を速くしていくと流れが音速を超えたとき音波は上流に伝わらなくなる。しかし、流れが音速になる瞬間にスロートを通過した音波は、ゆっくりではあるが上流に伝わる。この音波の振動数のパワースペクトル分布が実際のブラックホールから放出される粒子数の分布に対応していることが知られている。そこで本実験では、ラバルノズル内での超音速流実験において上流側で下流から伝わる音波を計測する。 昨年度においては、超音速の風洞装置に関して、圧縮機から空気をラバルノズルに直接吹き出す方式を採用し実験を行ったが雑音が多く観測したい音波だけを抽出するという状況までは到達しなかった。そこで本年度は、雑音を低減すべく、貯気槽を2つ直列に接続し、その間にラバルノズルを設置する新しい系において実験を行った。また、観測についてはこれまで行ってきた信号を事後デジタル解析する方法の他に、ロックインアンプ等を組み込んだアナログ回路を用いて振幅および位相の変換を行った波形データによる解析も試みた。その結果、亜音速領域での空気流加速の際,空気流上流側で観測される入射音の周波数が低下することを確認した。これはホーキング輻射現象でも見られる「波の引き延ばし効果」を捉えたものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)