Project/Area Number |
17656202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山崎 仁丈 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30292246)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | 多結晶試料 / 粒界拡散 / マスキング / 放射性トレーサー / スパッタマイクロセクショニング / EBSPによる局所方位解析 |
Research Abstract |
近年、火力発電所や原子力発電所において材料の破損に伴う事故が頻発している。応力腐食割れが主な原因であり、これは高温においてステンレス鋼中のクロムが粒界に沿って拡散してクロム欠乏層が形成するために起きる。このようにステンレス鋼中のクロムの粒界拡散係数は材料の信頼性評価に重要なパラメータである。粒界拡散係数は粒界性格によって10倍以上異なることが純銀、純金および純銅などのバイクリスタルを用いた粒界拡散実験から知られているが、構造材料として実用上重要な鉄やステンレスにおいては粒界拡散係数の粒界性格依存性は全く得られていない。この情報を得るにはバイクリスタル試料が不可欠であるが、多結晶中に存在するすべての粒界傾角に対応したバイクリスタルを作製することは困難である。多結晶試料における粒界拡散係数の粒界傾角依存性などの詳細な情報が発電プラント材料の信頼性向上のために必要不可欠であり、新たな手法が求められている。本研究の目的は、半導体分野で用いられているマスキング技術を拡散試料に適用し、多結晶試料中の特定の粒界に沿う拡散係数の決定法を新たに構築することである。用いた多結晶試料は純Agおよび純Cuである。試料はあらかじめ結晶粒粗大化熱処理を行い、拡散熱処理中に粒界が移動しないようにした。多結晶試料において着目する特定粒界は光学顕微鏡観察およびEBSPによる局所方位解析を用いて決定した。放射性同位元素^<57>Coを多結晶試料にめっき後、拡散熱処理を施した。多結晶試料の特定粒界以外をマスキングし、イオンビームスパッタマイクロセクショニングを行った。自動測定装置を試作することによって測定時間を大幅に増加させることが可能になった。マスキングによって単位時間あたりの^<57>Coの放射能強度は減少したが、自動測定装置を用いて長時間測定を行うことによってマスキングによる放射能強度の減少分を補うことができた。この結果、多結晶Cu試料中の特定粒界に沿った拡散係数を決定することが可能になった。
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