Project/Area Number |
17656220
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Composite materials/Physical properties
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
末松 久幸 長岡技術科学大学, 極限エネルギー密度工学研究センター, 助教授 (30222045)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
|
Keywords | ニッケルフェライト / 電気抵抗率 / 有機物 / 吸脱着 / 有機物センサー / ホッピング伝導 / キャリア密度 / 急変サーミスター / 界面 / 相転移 |
Research Abstract |
遷移金属フェライトの電気抵抗率急変現象のメカニズム解明のため、下記の研究を行った。 1)錯体重合法による遷移金属フェライト超微粒子合成法開発 遷移金属フェライト超微粒子を、錯体重合法で合成する手法を確立した。金属硝酸塩または硝酸塩水和物をクエン酸水溶液に溶解させ、エチレングリコールを加えて重合した。これを加熱し、仮焼、結晶化を行った。この結果、結晶質超微粒子を380℃以上で合成可能なことが判明した。 2)有機物付着したニッケルフェライト焼結体の電気抵抗率温度依存性 1)で合成したニッケルフェライト超微粒子を焼結し、これに有機物を塗布後、大気中昇温して電気抵抗率温度依存性を測定した。酢酸ブチルを塗布したニッケルフェライト焼結体は、120℃から電気抵抗率が減少し、その後220℃以上で上昇し、無塗布のサンプルとほぼ同一となった。また、120℃以下と220℃以上の電気抵抗率から求めたキャリアホッピングの活性化エネルギーは、単結晶のそれと一致した。一方、120℃前後で熱天秤で測定した重量の急減が見られた。よって、120℃での酢酸ブチル蒸発に伴い、ニッケルフェライトのキャリア密度が変化し、電気抵抗率急変を引き起こすことが判明した。 3)有機物付着したニッケルフェライト多孔体における電気抵抗率の気孔率依存性 2)で有機物吸脱着によりニッケルフェライトのキャリア密度変化が引き起こされることが予想されたが、これがなぜバルク体内部のキャリア密度まで変化させているかが不明であった。このため、気孔率依存性を測定した。市販ニッケルフェライト粉末を大気中600-1200℃1時間焼結して、これに酢酸ブチルを塗布して電気抵抗率温度依存性を測定した。開気孔率減少に伴い、電気抵抗率急変現象は発現しなくなった。よって、これにより、酢酸ブチルが焼結体内部に流動し、吸脱着過程でバルク全体のキャリア密度を変化させていることが判明した。
|