天然多価フェノール化合物を利用した金属表面の化成処理
Project/Area Number |
17656237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Material processing/treatments
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Research Institution | Fukushima Technology Centre |
Principal Investigator |
渡部 修 福島県ハイテクプラザ, 研究開発部材料技術グループ, 科長 (00391011)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 多価フェノール / ウルシオール / タンニン酸 / 撥水性 / 耐食性 / ジアミン / 架橋反応 |
Research Abstract |
平成17年度に引き続き、天然多価フェノールを代表して、効果の大きなウルシオールとタンニン酸について、さらに詳細な検討と実用化の研究を行った。まず、昨年度に検討した化成処理の内容、評価および結果について報文に取りまとめ、高分子論文集に投稿して掲載が認められた。そしてこの中で検討した化成処理による撥水性と耐食性の付与について、その応用と実用化に取り組んだ。 撥水性の発現は、ウルシオールの化成処理による効果である。ウルシオールによる化成処理膜の特徴は、非常に薄いことであり、それは親水性のフェノール環が亜鉛表面と結合し、疎水性の炭化水素鎖を反対側に並べて被膜生成すると考えられた。その結果、LB膜作製のような効果で分子が整列するために撥水性が得られた。これにより極めて高い撥水性が現れるが、被膜が非常に薄く、塩水噴霧試験の結果、それに耐えられるような被膜ではなく、現状では用途が見いだせなかった。 耐食性の発現は、タンニン酸の化成処理による効果である。タンニン酸による化成処理膜は、干渉による呈色があり、ある程度の厚さがあるものの、現状の六価、三価のクロメート化成処理と比較すると耐食性がかなり劣る。前年度は、これに対してジアミンによる架橋反応を施すことにより耐食性を高めることができた。しかしながら、非常に簡易な操作である水溶液へ浸漬処理といえども、繰り返し処理をすることは生産現場では実用的ではなく、より工程の少ない操作が求められていた。そこで今年度は、同様の原理であらかじめタンニン酸に架橋反応を施した修飾タンニン酸を作製し、それをつかった1回浸漬処理で化成処理ができる技術を開発した。 この処理液で化成処理したものは、耐食性も問題なく、非常に実用的な手法となったため、日本国内に特許申請を行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)