Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本研究はラドンおよびトロンの壊変過程に高エネルギーベータ線を放出する核種が存在することに着目したものである.昨年度までの研究の結果,(1)検出素子には多孔質ガラス吸着剤を冷却して用いることにより空気中のラドン・トロンを吸着濃縮できる,(2)吸着剤には透光性のある石英質の多孔質ガラスや多孔質の高分子材料(ポリスチレンなど)が使用できる,(3)液体シンチレーターを使用しないためトルエンなどの有害有機廃液がでない,(4)測定には汎用的な液体シンチレーション計測装置が使用可能である,(5)娘核種ではなくラドン・トロンを直接捕集するので実際のラドン・トロン濃度の測定が可能である,(6)減衰時間の違いからラドンとトロンの区別及びその混合割合が測定可能である,(7)検出素子は吸着したラドン・トロンの娘核種の減衰を待つことにより繰り返し使用が可能である,などの特徴を有することが明らかとなった. 本年度は,大気を採取する際に適当な容積のバッファタンク(減衰のためのタンク)を設けることにより,トロンを除去してラドンのみを正確に測定できることを見いだした. 以上の結果を基に国内の特許を出願した.さらにこれを基に,国際出願を行った. 実際の大気中のラドン濃度を測定するには濃度の検定が必要となる.そこで,シンチレーションセル方式のラドン測定装置の測定値と比較しながら,検出効率の導出を行った.さらに,正確な検出効率を決定するため,(独)放射線医学総合研究所に整備されているラドン施設(ラドンの基準濃度が得られる施設)において実験を行った. 実証のための試験として,当学部の実験室,会議室および地下室においてラドン濃度の測定を行った.その結果30〜180Bq/m^3の範囲の結果が得られ,本測定方法が実用的であることが実証された.
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